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コラムColumn2016年のJ1リーグ全試合データを機械学習し、2017年の展望を予測する(5)。

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2016年のJ1リーグ全試合データを機械学習し、2017年の展望を予測する(5)
2017.2.23

※本コラムは2016年のJ1リーグ全試合データを機械学習し、2017年の展望を予測する(4)」の続きです


以上の処理を用いて、最終的に推計される2017J1リーグの順位は下記となった。10000回のシミュレーション結果における、勝点の平均および標準偏差を表す。

J2からJ1に昇格した3チームは、本稿で用いた2016J1リーグのデータが無いため、予測の対象外とした。

J2に降格した3チームは予測対象外としているが、他のチームの勝点計算のために、J2からの昇格チームとみなし、対戦シミュレーションに含めている。

浦和レッズは、主力選手はそのままに、矢島慎也・長澤和輝の復帰、昨年11ゴールのラファエル・シルバの獲得など、さらに充実した攻撃陣となり、今年も堅実な結果を残すことが期待できそうだ。鹿島アントラーズは、昨年9アシストの柴崎岳が抜けたが、攻撃陣はそのままに、昨年11ゴールのペドロ・ジュニオールのほか、守備だけではなく展開力にも定評のあるレオ・シルバを獲得し、昨年に続いて勝負強さを発揮しそうだ。川崎フロンターレは、長年、フロンターレサッカーを支えた風間八宏監督からの、鬼木達監督の新采配に注目したい。得点源の大久保嘉人が抜けた穴は大きいが、新加入の家長昭博がフィットできるかがポイントだろう。サンフレッチェ広島は、佐藤寿人が移籍となった。新加入の工藤壮人が、柴崎晃誠ら既存の攻撃陣とかみ合えば、より上位に食い込めそうだ。FC東京は、大久保嘉人、永井謙佑、高萩洋次郎といった積極的な攻撃陣の強化のほか、太田宏介がオランダから復帰し、陣容は大きく変わりそうだ。前田遼一、中島翔哉、東慶悟、との競争・コンビネーションで、スペクタクルなサッカーを期待したい。横浜F・マリノスは、中村俊輔、小林祐三が移籍したものの、昨年10ゴール8アシストの齋藤学が背番号10を受け継いで残留したほか、FWウーゴ・ヴィエイラ、MFダビド・バブンスキー、DFミロシュ・デゲネグ、などポジションごとに各国代表クラスの補強があり、クオリティは昨年よりアップしたとみなしていいだろう。


なお上記勝点予測はあくまで2016年のスタッツデータ、移籍情報、ゼロックススーパーカップの結果からのものである。実際には未知の要素も当然多いため、上位・下位・優勝争いチームを断定するものではなく、あくまでサッカーデータによる一興として捉えていただければ幸いである。各チームとも、データを覆すような底力を見せてほしい。


最後に本稿では考慮していない点について述べる。


今回は、各試合のゴールおよび勝敗予測にホーム・アウェイの影響は考慮していない。ホームの方が、選手の移動の疲労が少ない、サポーターの応援が多い、慣れたピッチでプレーできる、などの好影響が思い浮かぶ。しかし、2016年リーグ戦全試合における、平均ゴール数は、ホームとアウェイどちらも1.3点で同じとなった。(ちなみに、ホームとアウェイの平均勝点も、1.4で同じとなった。)実際、アウェイチームにおいて、39試合で3点以上のゴールが生まれており、特に3試合(1stステージ第4節:広島(AWAY)5-1大宮(HOME)、1stステージ第7節:横浜FM(AWAY)5-1磐田(HOME)、2ndステージ第10節:柏(AWAY)5-2川崎(HOME))は5点での大勝となった。


また、今回のゴール予測において、シーズン中、いつの試合かということは考慮していない。2016年シーズンは、1stステージ、2ndステージに分かれていたが、ステージ間の中断期間はなかった。そのため、シーズン半ば、かつ気温が高い8月、およびACLやルヴァンカップ、天皇杯などによる過密日程が続く時期には、連戦の疲れによりパフォーマンスが落ちることが想定される。参考までにJ1全チーム合計での走行距離(km)、スプリント回数の推移を下記に示す。横軸は全シーズン通しての節(全34節)となる。走行距離、スプリント回数ともに、第25節すなわち2ndステージ第8節(8/13(土)開催)にもっとも下がっている。


節ごとの走行距離(km)

節ごとのスプリント回数

 

また、監督の采配、すなわちフォーメーションや選手の交代タイミングは考慮していない。これらは選手の走行トラッキングデータや、どの選手間でボールの受け渡しが多く、かつその連携からゴールに結びついたか、などのデータにより評価できるだろう。

 

以上の事項は、恣意的にパラメータに加えずとも、結果として各試合のスタッツデータに反映されるという想定で分析している。

 

 

いよいよキックオフだ。2017年シーズンの新しいドラマとデータがはじまる。

 

【コラム執筆者】

篠田裕之

データ分析・データビジュアライズが専門。

その他、各種ウェブサイト運営、プログラミングなど。

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