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2015年J3 年間ベストイレブン
2015-12-20 15:00 RSS

2年目を迎えたJ3を制したのは、今季にJFLから参入した山口だった。開幕から爆発的な得点力を見せてリーグを席巻。他チームの研究が進むにつれてトーンダウンしたものの、最終節での劇的な展開の末に優勝を果たした。また、山口とし烈な争いを繰り広げた町田は、J2・J3入れ替え戦で大分を下して4年ぶりとなるJ2への切符をつかんだ。

フットボールラボでは、J1とJ2に続いてチャンスビルディングポイント(CBP)を中心とした独自のベストイレブンを選出。控え選手は今回に限ってJ1、J2に合わせて7名に。フォーメーションは「3-3-3-1」とした。

なお、対象は出場時間が所属チームの試合時間の3分の2以上としており、CBPは累積の値となる。

<GK>
★スタメン:高原 寿康(町田)

■控え:朴 一圭(藤枝)

高原は、セーブ率でトップに。特にペナルティエリア外からのシュートに対するセーブ率は96.3%で圧倒的な数値を残した。1試合平均失点は0.5と鉄壁。J2・J3入れ替え戦ではPKをストップし、昇格に大きく貢献した。

控えには、セーブCBPとセーブ数で1位に輝いた朴一圭を選出した。藤枝は最多の被シュート数を記録。最後尾で奮闘する姿が印象的だった。

<センターバック>
★スタメン:宮城 雅史(山口)
★スタメン:大島 嵩弘(長野)
★スタメン:増田 繁人(町田)

■控え:深津 康太(町田)
■控え:岡田 亮太(福島)

センターバックは、守備CBPとチーム総失点の少なさ、そして空中戦に注目して選んだ。

宮城は、守備CBPとボールゲイン数で首位。オフェンスをストロングポイントとする山口にあって、粘り強い守備でチームを支えた彼の存在は大きかった。また、5ゴールを挙げるなど、ここぞという場面での得点力も兼ね備える。センターフォワードのポジションで出場した試合でも結果を残しており、田中マルクス闘莉王(名古屋)のごとき活躍を披露した。

3バックの中央には長野でディフェンスリーダーを務める大島を配置した。警告の累積による1試合の出場停止を除いて全試合にフル出場。守備CBPは宮城に次ぐ数値を残している。パス成功率と自陣での空中戦勝率で上位につけるように、総合力の高さが光った。

町田は今季に喫した失点がわずか18。新加入の増田は守備CBPで3位、自陣での空中戦の勝率で2位となったように、堅守を構築する上で欠かせない存在であった。セットプレーの場面では、打点の高さを生かしたヘディングで4得点をマーク。シーズンを通して試合に出ることで、大きな成長を遂げた。

サブには、増田とコンビを組んでチームの守備を支えた深津を選んだ。タックル成功率は表の選手の中でトップ。自陣での空中戦勝率は増田を抑えてリーグナンバーワンに。セットプレーの攻撃時には、ファーサイドに構えることが多く1ゴールにとどまったが、高い勝率を記録した。加えて、今季は全試合にスタメン出場を果たした福島の岡田亮を選出している。着実に力をつけた今季の福島にあって、彼もまた確かな成長を遂げた1人だった。

<センターハーフ>
★スタメン:島川 俊郎(秋田)
★スタメン:庄司 悦大(山口)
★スタメン:小塚 和季(山口)

■控え:富所 悠(琉球)

センターハーフのポジションはパスCBPなどパス関連の項目を基準とした上で、攻守のバランスにも注目した。

島川はアタッキングサードへのパス成功率で1位になるなど、パス関連の項目で軒並み上位につけたのはもちろん、守備での貢献を評価した。表の選手内では、守備CBPは2位で、インターセプト数は3位。キャプテンとして、チームをうまくまとめ上げた。

移籍1年目ながら、庄司は山口のビルドアップの中心に君臨。パスCBP、パス数、パス成功率で1位になったほか、アタッキングサードへのパス成功率と攻撃CBPは3位に。アンカー気味に位置取り、中盤でコンビを組んだ小塚の攻撃センスを最大限引き出した。熱く指示を送るピッチ上の指揮官は、ルーキーイヤー以来となる自身としては4年ぶりのJ2の舞台に挑む。

司令塔として山口の攻撃を操った小塚は、パスCBPと攻撃CBPで2位。アシスト数は13でリーグトップの数値を記録した。来季は新潟への復帰が決定。J1でもその才能を発揮できるか。

控えには、琉球の富所を選んだ。パス成功率は庄司にはわずかに及ばなかったものの、85.3%と高い数字をたたき出し、アタックキングサードへのパス成功率でも2位につけた。東京V育ちのプレーメイカーは、遠い沖縄の地でその力を示している。

<オフェンシブハーフ>
★スタメン:曽我部 慶太(相模原)
★スタメン:福満 隆貴(山口)
★スタメン:島屋 八徳(山口)

■控え:鈴木 崇文(町田)
■控え;佐藤 悠希(長野)

オフェンシブハーフは攻撃CBPを中心としたオフェンスに関する項目と、ゴールとアシストという数字も重視して選手をしている。

曽我部は表にあるほとんどの項目で上位に名を連ねる。特にクロスCBPは表の中の選手では首位。高いキックの精度と軽やかな身のこなしで相模原の攻撃をけん引した。

2試合連続でハットトリックを達成するなど、福満は19ゴール10アシストと見事な結果を残した。攻撃CBPは堂々のリーグトップで、その他の項目でも上位に顔を出す。新進気鋭のアタッカーは初挑戦となるJ2でも、旋風を巻き起こせるか。

圧巻の攻撃力を誇った山口でゲームキャプテンを務めたのが島屋だ。福満と同じく二桁ゴール二桁アシストの大台を達成。攻撃CBPは表の選手の中で2位につけた。チーム内のフィールドプレーヤーでは唯一の全試合出場を達成。来季もチームの双肩を担い、ピッチ上を駆け回る。

控えには、町田の鈴木崇と長野の佐藤を選出。鈴木崇は得意の左足を駆使してチャンスメイクこなし、ラストパス数は表の中の選手では最多に。10ゴール7アシストと立派な数字を残した。昨季に続いて全試合出場した佐藤は存在感が増し、表の選手内ではパスCBPとクロス成功率がともに2位。相手の急所を突く鋭い攻撃を見せた。

<センターフォワード>
★スタメン:岸田 和人(山口)

■控え:大石 治寿(藤枝)

最前線に立つのは岸田だ。Jリーグ記録となる9試合連続ゴールを挙げるなど、ハイペースでネットを揺らし、最終的には34試合に出場して32得点をマーク。シュートCBP、シュート決定率、そしてシュート枠内率の数値は2位以下を大きく引き離してトップに輝いた。今季のJ3の顔といっても過言ではないだろう。J2の舞台でも得点力を発揮できるのか、注目したい。

また、ボックス内で仕事ができる大石を控えに。泥くささを身上とするストライカーはラストパスにピンポイントで合わせるほか、こぼれ球に対して素早く反応して14ゴールを奪取。昨季に続いて結果を残し、その実力を改めて証明してみせた。

以上が各選手の選考理由となります。

選手個人のデータを基準においての選出のため、順位が反映されない部分があるかと思いますが、ご了承ください。

下記に2014年の年間ベストイレブンコラムのリンクを置いておきました。
昨季との比較もお楽しみください。

■関連リンク

2014 J3年間ベストイレブン
http://www.football-lab.jp/column/entry/587/

2015-12-20 15:00 RSS
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