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コラムColumn徳島vs東京Vの試合を、事前データと試合データから読み解く。

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徳島vs東京Vの試合を、事前データと試合データから読み解く
2018.4.5

昨季、徳島ヴォルティスはリカルドロドリゲス監督を、東京ヴェルディはロティーナ監督を招聘。J1昇格には届かなかったものの、彼らのフットボールはJ2リーグに新しい潮流を生み出し、注目を浴びる存在となった。2年目となる今季、両サポーターが望むのはこの内容に伴った「結果」だろう。主力選手の入れ替えがあり、いくつかの課題を抱えてはいるが、上位に飛び出せる位置を維持しており、特に東京Vは無敗を継続中だ。第7節での両者の対戦を機に、これまでの特徴と対戦時に起きた事象を振り返ってみよう。

6節時点のJ2のチャンス構築データなど

Football LABでは攻撃に関連するデータとしてチャンス構築率というデータとシュートの成功率を散布図で掲載している。


[参考]Football LAB 2018 J2 チャンス構築率

チャンス構築率は攻撃回数に対してどれくらいシュートを放てたかという割合で、シュート成功率はシュートに対してのゴール率を意味しているが、徳島と東京Vともに近い数値となった。傾向としてはシュートには到達しているものの、その成功率は低めとなっている。ペナルティエリア内のシュートの枠内への割合も併せて載せているが、そろって低い値となった。

6節時点のJ2の被チャンス構築データなど

このチャンス構築率とシュート成功率を相手チーム側から計算した被データでは両者に違いが生まれている。両チームとも失点が少ないチームではあるが、東京Vは被シュートへの割合は多いながらもその成功率は最も低く、最後の砦で守っているのに対し、徳島は被チャンス構築率が低く相手のシュートを抑えている傾向があり、被シュートの数も6節時点ではリーグで2番目に少ない。一方でセットプレーの守備には課題を抱えており、失点の多くがセットプレー直後となっている。


Football LABでは創設時よりチャンスビルディングポイント(以下CBP)というオリジナルの指標を掲載しているが、そのデータにおいても両者に特徴があった。まず徳島から見てみよう。

[参考]Football LAB チャンスビルディングポイントとは

徳島のパスCBP

徳島はパスのCBPにおいて2位と差を広げてトップとなっている。パスCBPは各エリア間、もしくは同一エリア内でのパス成功によって加算されるポイントが異なるが、徳島が最もポイントを得たのが、丸と矢印で示した箇所でのパスだ。ペナルティエリアへの進入経路はさまざまなパターンが考えられるものの、徳島の場合は右サイド寄りのペナルティエリア手前近辺でのパスが特徴となっている。また徳島はクロスにおいても他のチームと違いがあり、クロスのペナルティエリア外比率がリーグ内で最も低く、同エリアからのクロス後が空中戦となった場合の勝率もリーグワーストとなっている。このことから徳島としては中央からエリアに進入するか、エリアに進入した後に低いクロスを送るような展開を作りたいところだろう。

東京Vの守備P

一方の東京Vは守備のポイントに特徴があった。守備ポイントは相手の攻撃回数に影響される面もあるので比較が難しいが、6節終了時点において累計のポイントが5位となっており、1回当たりの被攻撃で計算するとトップとなる。ボール奪取エリアのリーグ平均との比較を見ると自陣ペナルティエリアの少し前に密集しており、アタッキングサードにおいてもわずかながら平均より高い数値を残している。東京Vのボール奪取エリアは平均化すると低めとなるが、ボール支配率が6節時点で4位にいることからも分かるとおり、常に持たせているわけではなく状況によって守備の方法を使い分けている。被シュート数をもう少し減らしたいところではあるが、GKも安定しており大きな問題には至っていない現状だ。

上記はすべて6節終了時点のデータとなる。これを踏まえて7節に行われた試合を振り返っていきたい。

試合は開始早々に東京Vがロングスローからあっさりと先制。徳島としては先に述べたセットプレー直後の失点を早速増やすスタートとなった。これにより徳島は選手の配置換えを行うが、前半11分に2点目を許す展開に。左サイドにてシシーニョがボールホルダーに詰め寄った後ろのスペースに渡辺皓太が走り込み、ペナルティエリア進入後にゴールへ突き刺した。

その後は徳島のボールポゼッションが増えるが、徳島のパスの軌跡と東京Vのボール奪取エリアからも分かるように、徳島が最も使いたいエリアへの進入を東京Vが防ぎ、スコアは変わることなく前半を終える。

徳島vs東京Vの前半

ハーフタイムに徳島は内田裕斗と前川大河を下げ、杉本竜士と山崎凌吾を投入。山崎というターゲットが入ったことで外からのクロスも入るようになり、左サイドに杉本が入ったことで同サイドの攻撃も活性化。特にペナルティエリア内左サイドの進入が増加し、前半よりゴールへ近付いた。よって後半は東京Vのボール奪取エリアがさらに後ろに下がる傾向となった。

徳島vs東京Vの後半

徳島ペースで始まり反撃を予感させる展開ではあったが、不用意なロストから3点目を奪われ、さらにその後2人が退場。終盤にもゴールを許し、ホームチームの大敗となってしまった。注目された監督対決は経験に勝るロティーナ監督率いる東京Vが、相手の良さを摘み取って効果的に加点をすることで勝利を奪い、逆にリカルドロドリゲス監督率いる徳島は課題が上乗せされる結果となった。この状況をどう打破し上位に食らい付いていくのか、今後のリカルドロドリゲス監督の采配に期待したい。

Football LAB

徳島ヴォルティス シーズンサマリー
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