はじめに
従来、サッカーの守備指標においては、「タックル」「クリア」「(クロスやシュートの)ブロック」「インターセプト」「空中戦」といった、ボールホルダーや相手のプレーに対する直接的なアクションが対象となり、その数や成功率が指標の要素となっていました。自ずと、守備機会の多いチームや選手の方が評価の対象となる機会が多く、指標としても高く出る傾向にあります。
一方でチーム全体としての守備力を考えた際に、上記のように対応を迫られている状況まで攻め込まれていること自体をどう評価するかが問題になります。特に近年では、相手の攻撃を遅らせて守備組織を整えることや、なるべく高い位置でボールを奪ってそのまま速い攻撃に移ることを目的に、前線での守備も重要視されています。
KAGI
そこで当サイト『Football LAB』では、「守備の際にどれだけ相手を前進させなかったか、相手を自陣ゴールに近づけなかったか」という観点から、チームの新守備指標「Keep Away from Goal Index」、略して「KAGI」を集計して公開します。具体的には、
- 相手の攻撃時間のうち、自陣ゴールから遠い位置でボールを持っていた時間の割合が高い
- 相手の攻撃が始まってから、自陣のペナルティエリアまで到達するのにかかった時間が長い
場合に高い評価となるように指標化しています。
AGI
また、「KAGI」と対になる指標として、「攻撃の際にどれだけ相手ゴールに近づけたか」を「Approach Goal Index」、略して「AGI」として公開します。「AGI」は「KAGI」とは逆に、
- 攻撃時間のうち、相手ゴールに近い位置でボールを持っていた時間の割合が高い
- 攻撃が始まってから、敵陣のペナルティエリアまで到達するのにかかった時間が短い
場合に高い評価となるように指標化しています。
「KAGI」「AGI」はリーグサマリーページや、各チームのシーズンサマリーページなどにて、2014年シーズンより掲載しております。
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他のオリジナル指標について
「Football LAB」オリジナルの評価指標CBP
FootballLABは、オリジナルの評価指標となるチャンスビルディングポイント(CBP)を開発し、チームや選手の評価を行っています。様々な見方があるサッカーというスポーツの中で「どのチームが(または誰が)本当に効果的なプレーをしているのか?」の『見える化』を試みた指標です。CBPを利用することで、チームや選手の活躍を分かりやすく数値化していますので、是非お楽しみください。
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「Football LAB」オリジナルのPlaying Style指標
FootballLABは2014年にPlaying Style指標(プレースタイル指標)を開発し、各選手ページとリーグサマリーページに公開しました。各選手のプレーデータから決定力、シュート力、パスレスポンス力、パスチャンス力、クロスチャンス力、ドリブルチャンス力、ビルドアップ力、敵陣空中戦、自陣空中戦、守備力、ボール奪取力の計11項目を20段階で算出し、選手のプレースタイルを分かりやすく表現しています。Playing Style指標は各選手ページでご確認いただけます。
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「Football LAB」オリジナルのチームスタイル指標
FootballLABは2017年にチームスタイル指標を開発し、各チームページとリーグサマリーページに公開しました。チームのプレーデータから算出したセットプレー、サイド・中央攻撃、カウンター、ポゼッションに加え、トラッキングデータからコンパクトネス、最終ライン、ハイプレスなどの新しいデータも掲載しております。
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