総論
Football LABでは2020年より【ゴール期待値】の掲載を始めました。
ゴール期待値とは、「あるシュートチャンスが得点に結びつく確率」を0~1の範囲で表した指標であり、欧州を中心にサッカー界で活用され始めています。ゴール期待値はシュートの成功確率を表すので、値が高いほど得点が決まる可能性が高いシュートになります。
ゴール期待値の算出は勾配ブースティング決定木(GBDT)という機械学習の手法を用いて行いました。機械学習とは人工知能の一分野であり、「コンピュータがデータの特徴を学習し、自らタスクを実行すること」を指します。
データスタジアムが保有する過去複数年のプレーデータをAIに学習させ、2019年度以降の全シュートに対して期待値を算出しました。AIは過去のシュートに関する情報とシュート結果の関係性を学ぶことで、未知のシュートデータに対してシュート結果の予測ができるようになります。
ゴール期待値の算出にAIが使用するシュート情報
- 空中戦に勝利したか否か
- シュート時に使用した体の部位
- タッチ種別(ワンタッチ、ツータッチ以上、セットプレー、その他)
- プレーパターン(直接CK、直接FK、PK、オープンプレー)
- ゴールへの距離
- シュートの角度
関連リンク
ゴール期待値データはリーグサマリーページやチームページに掲載しております。
シーズン中にチームが得た全てのゴール期待値を合計すると“期待ゴール数”となるため、これを見ればチームがどれだけ質の高い決定機を作り出していたかがわかります。さらに、期待ゴール数を実際のゴール数と比較することにより、チームのシュート能力を推測することもできます。各シュートに対して算出されたゴール期待値は、平均的な選手がシュートを打った場合のシュート成功確率に近いと仮定できます。つまり、合計ゴール期待値と合計ゴール数の差は、平均的なチームとのシュート能力の差を反映していると考えられます。
コラムなどの記事ページにおいては、プレーデータに加えトラッキングデータも使用したゴール期待値を使用するケースがあります。その際は各記事にてご案内致します。
参考記事
- Jリーグのデータから作るゴール期待値
- ゴール期待値とチャンスの場面
- ゴール期待値で見る2019J1リーグ各チームの得点
- ゴール期待値でJ1選手のシュート能力を評価する
- 2019J1ゴールランキングトップ3のゴール期待値
他のオリジナル指標について
「Football LAB」オリジナルの評価指標CBP
FootballLABは、オリジナルの評価指標となるチャンスビルディングポイント(CBP)を開発し、チームや選手の評価を行っています。様々な見方があるサッカーというスポーツの中で「どのチームが(または誰が)本当に効果的なプレーをしているのか?」の『見える化』を試みた指標です。CBPを利用することで、チームや選手の活躍を分かりやすく数値化していますので、是非お楽しみください。
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「Football LAB」オリジナルのPlaying Style指標
FootballLABは2014年にPlaying Style指標(プレースタイル指標)を開発し、各選手ページとリーグサマリーページに公開しました。各選手のプレーデータから決定力、シュート力、パスレスポンス力、パスチャンス力、クロスチャンス力、ドリブルチャンス力、ビルドアップ力、敵陣空中戦、自陣空中戦、守備力、ボール奪取力の計11項目を20段階で算出し、選手のプレースタイルを分かりやすく表現しています。Playing Style指標は各選手ページでご確認いただけます。
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「Football LAB」オリジナルのチームスタイル指標
FootballLABは2017年にチームスタイル指標を開発し、各チームページとリーグサマリーページに公開しました。チームのプレーデータから算出したセットプレー、サイド・中央攻撃、カウンター、ポゼッションに加え、トラッキングデータからコンパクトネス、最終ライン、ハイプレスなどの新しいデータも掲載しております。
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