HOME » 明治安田生命J1 J2 リーグ 中継内で使用される新データの紹介
今回は、今季のDAZNの中継内で使用される以下の3つのデータについて紹介します。
・ボール奪取位置
・チャンスクリエイト
・ゴール期待値
■ボール奪取位置
ボール奪取とは、インプレーにおいて相手チームの攻撃から自チームの攻撃に切り替わった最初のプレーです。タックルやインターセプトなど明確に奪う意図があるプレーもあれば、相手の失敗パスを拾うプレーもあります。インプレーのみとしているため、セットプレー(PK、CK、FK、スローイン、キックオフ)による攻撃開始は含みません。
このボール奪取プレーをピッチにプロットすることで、チームがどのエリアでボールを奪って攻撃を開始しているかを確認できます。
2022年のJ1平均値では、アタッキングサードでのボール奪取の割合が最も高かったのは広島、ディフェンシブサードでの割合が最も高かったのは磐田でした。
中継内で使用されるボール奪取位置の見方としては、以下の点に注目すると試合やチームの状況が読み取れると思います。
・対戦相手との比較(例:相手より高い位置で奪っている,特定のエリアに集中している)
・前半終了時と後半終了時の違い(例:後半は高い位置で奪えるようになった)
・これまでの試合との比較(例:前節より位置が低く、前から奪う守備ができていない)
■チャンスクリエイト
チャンスクリエイトとは、シュートにつながるようなパスの数を表すデータとなります。
具体的には以下の3項目の合計値です。
・ペナルティエリア内へのスルーパス成功数
・ペナルティエリア内からのクロス成功数
・上記以外のラストパス数
ラストパスはパス受けた味方選手がシュートを打った場合にカウントされます。上2つのプレーは相手ゴールに近い位置でのプレーとなり、仮にその後にシュートが打てなくてもチャンスシーンであると考えられるためこの項目をチャンスクリエイトに追加しています。
この数値を見ることで、シュートを中心としたチャンスへの関与を確認できます。
■ゴール期待値
ゴール期待値とは、「あるシュートチャンスがゴールとなる確率」を0~1の範囲で表した指標です。この値が高いほどゴールが決まる可能性が高い状況でのシュートになります。
(実際にそのシュートがゴールとなったかやシュートの質(スピード、コースなど)は関係しません)
例えばゴール期待値0.1のシュートは、過去のJリーグの平均的なプレーヤーがシュートを打った場合に10%の確率でゴールとなるシュートを意味しています。
試合でのチームの全シュートのゴール期待値を合計すると、その試合で期待されたチームのゴール数となります。
例えば、ある試合のチームのゴール期待値が1.3で、実際のゴール数が2点などそれを上回っている場合は過去に同じくらいのチャンスがあった試合の実際のゴール数よりも多くのゴールを決めたことになり、下回っている場合は少ないゴール数であったことを表します。
ゴール期待値を使うことにより、シュート数や実際のゴール数だけではなく作ったチャンスの量も考慮した試合状況を読み取ることができます。
例えばゴール期待値が両チームとも1.0の試合で、
Aチームはゴール期待値0.05のシュートを20本、Bチームはゴール期待値0.5のシュートを2本の場合
Aチームはミドルシュートなどゴールとなる確率が低いシュートが多く、ゴール前でのビッグチャンスをあまり作れなかった。
Bチームはシュート自体が少なかったものの、2回のビッグチャンスを作った。
となるので、シュート数も考慮して見た方が具体的な試合の状況が読み取れます。
また、シュートを打たないとゴール期待値は付与されないので、「触れば1点ものだった」といったシーンでシュートを打てていない、パス等を選択した場合のゴール期待値は0となります。
<ゴール期待値の算出方法>
ゴール期待値はデータスタジアムが保有するJリーグ過去複数年の以下のシュート関連のデータを元にして算出しています。
・ゴールまでの距離、角度
・シュートの部位、空中戦の有無
・タッチ数(ワンタッチ、ツータッチ以上)
・プレーパターン(CK、FK、PK、オープンプレー)
フットボールラボではチームサマリーや選手サマリーページ、各試合ページでゴール期待値を掲載しています。
試合中に使用されるデータは速報値となるため、フットボールラボ上の数値と完全一致はしません。
・関連リンク
2023年J1 ゴール期待値(チーム)
2023年J1 ゴール期待値(選手)
2023年J2 ゴール期待値(チーム)
2023年J2 ゴール期待値(選手)
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