HOME » もしも前半だけで試合が終わっていたら…【2019年J1編】
0. はじめに
前半は勝っていたのに最終的には負けてしまった。
もし、前半だけで試合が終わっていたら…という「たられば」は、誰でも想像したことがあるだろう。
その仮定を2019年のJリーグに当てはめると、順位はどう変わるのか。
また、前半終了時の結果と実際の結果を比較することで見えてくる特徴的なチームを紹介する。
1. J1全体の印象
前半終了時点の結果で作成した勝点ランキングが以下の図となる。
こちらは前半45分の結果と実際の結果(勝ち、引き分け、負け)を比較した図。
優勝した横浜FMが前半のみの結果でも1位となった。
リーグ全体を見渡しても、勝点差(90分の勝点-前半45分の勝点)が小さいチームが多く、実際の順位とあまり変わっていない。
2. 先行逃げ切り型
【該当チーム】:横浜FM、C大阪
横浜FMは前半終了時点でリードした試合がリーグトップの19試合、最終的には22勝を挙げたため、さらに3勝を積み上げたことになる。
その背景にあったのは「爆発的な得点力」。前半にリーグトップの31ゴール(リーグ平均は18)を挙げながら、後半にも37ゴールを記録し、最後まで攻撃の手を緩めなかった。
C大阪は前半終了時点で同点またはリードした試合がリーグ最多の31試合。
前半に喫した失点はリーグ最少のわずか4(リーグ平均は18)という数字がこの成績を物語っている。
後半の失点は21(リーグ平均は26)と約5倍に増えたことで、8つの星を落としたものの、勝ち星を3つ積み上げたことで辛うじて上位に踏みとどまれたといえるだろう。
3. 後半追い込み型
【該当チーム】:FC東京、広島
FC東京と広島は前半終了時と比較すると、10以上の勝点を積み上げた。
両チームに共通しているのは手堅い試合運び。
リーグトップタイの18試合をスコアレスで折り返して後半勝負に持ち込むと、FC東京は8、広島は9の勝ち星を増やした。
その中でも広島は顕著な数字を残している。
後半開始~15分までの時間の失点が0というのが表す通り、手堅い試合運びを継続。
攻撃面では、前半の得点数「13」に対して後半は「32」を記録した。
リーグ平均で44%の増加率(※)が示す通り、サッカーにおいて後半に得点が増えるのは常だ。
特に、広島はリーグ2位の146%の増加率となっており、まさしく「追い込み型」といえる。
※増加率=(後半得点-前半得点)÷前半得点×100
Football LAB 日比野 賢
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