2019年の森保ジャパンはアジアカップ、コパ・アメリカ、ワールドカップアジア予選、E-1サッカー選手権など、さまざまな大会に挑んだ。主力メンバーは海外組がほとんどだが、一部の大会では国内組や東京オリンピック世代が中心の構成となったこともあり、70人もの選手たちがA代表でプレーした。今回は親善試合も含めた2019年の全23試合の個人スタッツを見ながら、代表選手たちの活躍を振り返る。
出場試合数では柴崎岳が19試合でトップを記録。所属クラブでは苦しんでいるが、日本代表では多くの試合に出場して欠かせない存在となっている。出場試合数で3位の南野拓実は今年の日本代表で最多の7ゴールをマークし、シュート数でも最多の46本を放った。
シュート数上位3人のシュートパターンを詳しくみると、ドリブルからのシュートが最も多い中島翔哉と堂安律に対し、南野はクロスからのシュートが約3割を占めて一番多い結果に。テクニックやアジリティーが優れている南野だが、ゴール前に飛び込むタイミングやDFのマークを外す駆け引きなども秀逸であり、フィニッシャーとしての一面も覚醒した。
ラストパス数とスルーパス成功数ではともに柴崎がトップの数字を記録。出場試合数が多かった側面もあるが、中盤の底からゲームメイクをして攻撃のスイッチを入れていたことが分かる。また、柴崎と同じボランチで7試合に出場した橋本拳人の存在も見逃せない。タックル数は柴崎に次いで2位だが、タックル奪取率では柴崎を大きく上回る75.8%を記録した。Jリーグだけでなく、代表の舞台でも強度の高いディフェンスを披露している。
空中戦のデータでは、吉田麻也が無類の強さを見せている。自陣では回数こそ冨安健洋に次ぐ2位の数字だが、勝率では他を圧倒するパーセンテージをマーク。敵陣でも7割近い勝率を記録し、攻守で存在感を示している。
GKでは権田修一が約半分の11試合に出場し、守護神争いで一歩リードしている。80.0%を記録したセーブ率もさることながら、注目したいのはPA内セーブ率だ。他の選手らが70.0%にも満たない中で、80.0%をマーク。権田のスーパーセーブに何度も助けられたことも忘れてはならない。
最後に今年のA代表のトピックスとして外せないのは久保建英のデビューだ。18歳のアタッカーはゴールこそまだ奪えていないが、端々でクオリティーの高さを披露している。積極的な仕掛けから相手のファウルを誘うことも多く、アタッキングサードでの被ファウル数は出場時間が短いながらも5位の数字を記録。これは久保のドリブルが相手の脅威になっている証拠ともいえる。
迎える2020年は東京オリンピックイヤーであり、今年A代表デビューを果たした久保をはじめとするU-23世代にもますます注目が集まる1年となるだろう。
Football LAB
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