HOME » 琉球を支える城 ~J3優勝に至ったデータを振り返る
図表1: J3パス数ランキング
4節を残して明治安田生命J3リーグの優勝と来季のJ2への昇格を成し遂げた琉球。圧巻の得点力を見せ付けて栄冠を勝ち取った彼らをデータで振り返ってみたい。
30節終了時点で得点は64で失点が31、得失点差は+33と年間を通して抜群の安定感で走り抜けた琉球。持ち味でもある見事なポゼッションは、パス数ランキングトップ10に4人が名を連ね、その成功率が高いことからもうかがい知ることができる(図表1)。また、3プレー以内にシュートがあったクロスを上げた選手は徳元が31本とリーグ最多で西岡が28本で2番目となるなど、サイドバックの攻撃参加も目立った。
その多彩な得点パターンなどは、Jリーグ公式サイトのこちらも参考にしていただきたい。
圧倒的な強さでJ3を制覇!データで見る琉球の快進撃の理由とは?
図表2: 朴一圭のホットゾーン
その攻撃を後方から支えているのが、GKの朴一圭だ。リーグで4番目となる75回のセーブ数を記録するなど守備面でも安定したプレーを見せる彼だが、パス数は905本とリーグ内のGKにおいて最多。その成功率は70.4%と、パス数の多いGKの選手と比べても高い値を残していた。さらに、特筆すべきは彼のプレー範囲だろう。ペナルティエリアの外で味方からパスを受けた回数は246回で、次に多いYS横浜の浅沼が130回であることを考えれば、その多さは際立っているといえる。ゴールマウスから離れたエリアでビルドアップに関与する場面は非常に多く、主将が攻撃面でも見事なプレーを見せていたことは間違いない。
図表3: 琉球のスタメンとフォーメーション
また、チームに安定感をもたらした理由の1つとして、ある程度メンバーを固定できたことが挙げられるだろう。30節までにピッチに立った人数は21人とリーグで最少。図表3に示した11人がスタメンであった試合数は8とリーグで最多であり、和田に代わり播戸が入った組み合わせは5回で3番目に多い組み合わせであった。加えて、その13回はすべて15節以降で記録されたのである。リーグで最少の警告数が示すように警告の累積による出場停止選手を出さなかったことだけでなく、フィジカルやコンディショニング面などでもうまく乗り切れるなど、チーム全体での結果といっても過言ではないはずだ。
ホームゲームでは無類の強さを見せ、年間を通じてそのスタイルにさらに磨きを掛けてJ2への昇格を果たした琉球。来年は沖縄からどのような風を巻き起こすのか。
※2018 J3 30節までのデータにて制作
Columns
Graphics
2024-11-04 15:10
2024-03-27 09:55
2023-12-05 12:45