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2017年J2 年間ベストイレブン
2017年のJ2は、安定して勝ち星を積み重ねていった湘南が優勝を果たした。残りの自動昇格枠に入ったのは長崎。名古屋、福岡とのデッドヒートを制して初の昇格を決めた。プレーオフを勝ち上がった名古屋も1年でJ1復帰を決めている。また、今季は入れ替え戦がなくなり、自動降格は2チームに。だが、21位の熊本はJ3で1位の秋田がJ2ライセンスを保有していなかったため、入れ替えは行われず。来季もJ2の舞台で戦うことになった。
フットボールラボでは、J1に続いてチャンスビルディングポイント(以下CBP)を中心とした独自のベストイレブンを選出。フォーメーションは「3-4-1-2」を採用した。
対象は出場時間が所属チームの試合時間の3分の2以上としており、CBPは累積の値となる。
※選手個人のデータを基準においての選出のため、チーム順位が反映されない部分があるかと思いますが、予めご了承ください。
<ゴールキーパー>
★スタメン:秋元 陽太(湘南)
■控え:笠原 昴史(水戸)
スタメンは優勝チームの守護神である秋元。自身としては1年での湘南復帰となったが、慣れ親しんだ地で好パフォーマンスを披露し、セーブ率で1位に。リーグ最少失点タイの堅守を支えた。
サブには笠原を選んだ。長年水戸のレジェンドである本間の控えとして過ごしていたが、今季は一度もその座を譲ることなくフルタイム出場を達成。セーブ率で3位、セーブポイントで2位と優れたスタッツを残した。
<センターバック>
★スタメン:鈴木 義宣(大分)
★スタメン:アンドレ バイア(湘南)
★スタメン:菅沼 駿哉(山形)
■控え:近藤 直也(千葉)
J2では近年3バックを採用するチームが多く、センターバックに好スタッツを残す選手が多くなる傾向が続いている。その中で光る数字を記録したのが、この3名だった。
鈴木は守備ポイントでリーグ5位となる数値をマーク。シュートに対するブロック数で1位、クロスに対するブロック数では4位タイと体を張った守備が光った。パス成功率でも9位とビルドアップが安定していた点も選出理由だ。
アンドレバイアは守備CBPは9位にとどまっているものの、チーム総失点がリーグ最少タイの守備陣の中心に君臨。4ゴールをマークするなど、貴重な得点を挙げることも少なくなかった。
最後に山形の菅沼。守備ポイントでリーグトップの数字をマークし、クリアとブロックとインターセプトの総数もリーグで1番だった。新加入ながら、見事周囲の信頼に応えて中心選手として活躍した。
控えに選んだのは近藤だ。極端なハイラインハイプレスを採用するチーム戦術も影響して守備ポイントは伸び悩み、チーム失点数も少なくはないが、終盤に差しかかるにつれてディフェンスリーダーとして統率力を発揮。最終節では千葉をプレーオフ進出に導く、劇的なゴールを挙げた。
<ウイングバック>
★スタメン:安西 幸輝(東京V)
★スタメン:馬渡 和彰(徳島)
■控え:駒野 友一(福岡)
本職は右サイドバックだが、チーム状況に応じて今季はさまざまなポジジョンをそつなくこなした安西は、特に攻撃面において一回りレベルアップを果たした印象だ。クロスCBPとドリブルCBPで2位、攻撃CBPで11位と、ロティーナ監督に重用され、特大のインパクトを残した。
馬渡はクロスCBPで8位、ドリブルCBPで4位、攻撃CBPで8位にランクイン。4ゴール9アシストと結果を残した。右ウイングバックに選出した安西とは最終節で直接マッチアップ。見応えのあるバトルを繰り広げた。左ウイングバックでの選出だが、右サイドでの出場も多く、安西との両翼なら試合中でのスイッチも難しくないだろう。
控えに選んだのは駒野。クロスCBPは他の追随を許さない数字を残しており、右足のキックの質はベテランとなった今でもさびついていない。福岡では右サイドのスペシャリストとして活躍したが、左サイドも問題なくこなすことができる。
<ボランチ>
★スタメン:庄司 悦大(岐阜)
★スタメン:田口 泰士(名古屋)
控え: 岩尾 憲(徳島)
ボランチはパスCBPと攻撃CBPで上位の選手を選出した。
庄司のパスCBP、パス数、攻撃CBPは他の選手たちをはるかに上回り、特にパス数では2位の田口にも900本以上の差をつけている。「大木サッカー」の心臓としてチームのスタイルを体現する存在であった。スタッツだけを見れば、冷静な司令塔タイプに思われがちだが、周囲を熱く鼓舞する熱血漢のキャプテンだ。
ボランチのもう1人には田口をチョイスした。パスCBP、パス数、攻撃CBPは全て庄司に次ぐ2位。庄司に比べると、よりゴールに直結するプレーが特徴で9ゴール7アシストを記録した。
控えに選出したのは岩尾だ。パスCBPと攻撃CBPで上位に入るのはもちろん、守備面でも貢献。タックル数は堂々のリーグトップの数字だ。スポットライトが当たることは少なかったが、徳島において最も替えの利かない存在であった。
<トップ下>
★スタメン:シシーニョ(岐阜)
■控え:ガブリエル シャビエル(名古屋)
トップ下を務めるのはシシーニョ。かつてスペインの名手たちとともにプレーしたテクニシャンはJリーグのサッカーにすぐさまフィット。パスCBP、パス数、攻撃CBPで3位につけた。また、パス成功率はリーグトップ。センターフォワードを務めることもあった前目のポジションの選手として、この数値は脅威的だ。
サブにはガブリエルシャビエルを選出。スタメン入りも視野に入れたが、出場時間が所属チームの試合時間の3分の2以上という条件を満たしていないため、特例での控えでの選出にとどめた。彗星のごとくチームに加入してまばゆいばかりの輝きを放ち、リーグトップの14アシストを記録。彼の存在なくして名古屋の昇格はあり得なかった。
<FW>
★スタメン:渡 大生(徳島)
★スタメン:イバ(横浜FC)
■控え: ウェリントン(福岡)
■控え: 佐藤 洸一(金沢)
個人に焦点を当てると、今季の渡の活躍は見逃せない。シュートCBPでは断トツのトップ。得点王こそイバにゆずったが、PKなしでの23ゴールは称賛に値する。たたき上げのストライカーはペナルティエリア内で嗅覚を発揮し、何度もチームの窮地を救う得点を挙げた。
パートナーに選出したのはイバだ。フットサル仕込みのテクニックに加え、屈強なフィジカルを生かしたパワフルなプレーで度々ゴールを陥れた。高精度のキックの質を誇り、ペナルティエリア外からのシュートで奪った得点は5。ゴールに近い位置でのFKは相手の脅威となった。
控えの1人目は、得点ランキング3位タイの19ゴールを奪ったウェリントンだ。ペナルティエリア内での競り合いに滅法強く、シュート数は2位。存在感は絶大で密着マークに遭うことも少なくなかったが、その奮闘ぶりを称えたい。
2人目には、佐藤を選出した。シュートCBPは7位、シュート数では4位タイ。決してチャンスの数が多いとはいえない金沢においてこの数値は立派だ。名古屋を相手に「シーズンダブル」を達成する立役者となるなど、印象的なゴールも多かった。
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