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2016年J2 年間ベストイレブン
2016-12-06 21:00 RSS

2016年のJ2は、最終節まで昇格チームと降格チームがともに確定しないという、例年にない混戦のシーズンとなった。自動昇格をつかんだのは、12年以来となるJ1への返り咲きとなる札幌と、1年でのJ1復帰を果たした清水。そして、激闘の連続となったプレーオフを制したC大阪がJ1への復帰を決めた。

フットボールラボでは、J1に続いてチャンスビルディングポイント(以下CBP)を中心とした独自のベストイレブンを選出。フォーメーションは「3-5-2」を採用した。

対象は出場時間が所属チームの試合時間の3分の2以上としており、CBPは累積の値となります。選手個人のデータを基準においての選出のため、チーム順位が反映されない部分があるかと思いますが、予めご了承ください。

<GK>
★スタメン:シュミット ダニエル(松本)

■控え:ク ソンユン(札幌)

札幌のクソンユンと松本のシュミット。堅守を支えた両GKは甲乙付け難いが、出場試合数とパスCBPで上回ったシュミットを選出した。シュミットは196センチ90キロ、クソンユンは195センチ82キロと、ともに大きな体を生かしたダイナミックなセービングが持ち味。前者は92年生まれで後者は94年生まれと、さらなる進化を期待せずにはいられない。

<センターバック>
★スタメン:岩政 大樹(岡山)
★スタメン:林堂 眞(愛媛)
★スタメン:飯田 真輝(松本)

■控え:井林 章(東京V)

3バックを採用するチームが多いため、センターバックに好スタッツを残す選手が多くなる結果に。その中で光る数字を記録したのが、この3名だった。

岩政は守備ポイントでリーグ2位となる数字をマーク。攻撃面でも6点を挙げ、チームの大きな武器であるセットプレーのターゲットとして、そしてチームのキャプテンとして抜群の存在感があった。

林堂はチーム失点数がリーグで5番目に少ない愛媛ディフェンスの中核となるだけでなく、パスCBPと攻撃CBPで同ポジションの選手たちを大きく引き離した。加えて、2年連続で全試合出場を達成。見事信頼に応えてみせた。

最後に松本の飯田。守備CBPは10位にとどまっているものの、チーム総失点がリーグ最少の守備陣の中心に君臨し、センターバックとしては破格の7ゴールをマーク。今季もパフォーマンスは際立っていた。

控えに選んだ井林は、守備ポイントでリーグトップの数字をマーク。チーム失点数と順位が低迷したため今回は控えとしたものの、若手がそろうチームを支えていた姿が印象的だ。

<ウイングバック>
★スタメン:小池 龍太(山口)
★スタメン:福森 晃斗(札幌)

■控え: 片山 瑛一(岡山)

チームでは右サイドバックを務める小池はJ2初年度ながら特大のインパクトを残し、攻撃CBPで2位、パスCBPで3位、パス数で4位、クロスCBPで6位と、超攻撃的な山口のサッカーにおいて不可欠な存在に。来季は柏への移籍が決定。年々プレーするカテゴリーを上げているラテラルは、オフェンシブなスタイルを貫けるか。

左サイドで選出した福森は、正確なキックと粘り強い守りを持ち味とするバランス型。守備CBPで15位、パスCBPで8位、攻撃CBPで9位、アシスト数はリーグ3位の10と、攻守の両方で高い数値を残しているのが特徴だ。センターバックとウイングバックの双方でハイレベルなプレーを見せていた。

控えに選んだ片山も中央、さらには両サイドでプレーできる万能戦士。クロスCBPでは5位と高い数字を残しており、ロングスローも生かして10のアシストを記録した。

<センターハーフ>
★スタメン:庄司 悦大(山口)

控え:ソウザ(C大阪)、矢島 慎也(岡山)

センターハーフにスタッツ上は際立った選手が少ないのも、今季のJ2の特徴だろうか。その中で飛び抜けた数字を残しているのが、山口のポゼッションサッカーの心臓である庄司だ。

庄司のパスCBP、パス数、攻撃CBPは他の選手たちを遥かに上回る。J2初年度ながら、スペクタクルに満ちた戦いで見る者を沸かせた山口。その中心には背番号10の姿があり、正確無比なパスの数々で、数々の決定機を呼び込んだ。

控えに選出したのはソウザ。攻撃CBP5位でチームトップ、パスCBPが2位、パス数が6位と、加入初年度ながら攻撃のかじ取り役に。強引なプレーが少なくなかったものの、その思い切りの良さがチームに推進力を、相手に恐怖を与えていたこともまた事実である。

岡山の矢島は攻撃CBPでは11位、パスCBPは9位、パス数は10位と相対的な数字としては伸び悩んだ印象を受けるものの、いずれもチーム内ではトップの数字。岡山をプレーオフに導いた原動力だった彼を外すわけにはいかない。

<オフェンシブハーフ>
★スタメン:瀬川 祐輔(群馬)
★スタメン:杉本 健勇(C大阪)

■控え:福満 隆貴(山口)

オフェンシブハーフの位置には、目に見える数字でファンを納得させた両名を選んだ。

大卒ルーキーの瀬川は開幕戦で2ゴールを挙げるド派手なデビューを果たすと、その後も攻撃の中心に。全試合出場を達成し、シュート数とアシスト数の両方を二桁に乗せたのは驚異の一言。苦しい戦いが続いたチームにあってドリブルCBPが11位、シュートCBPが15位と、要所で決定的な働きを見せた。

C大阪への復帰を果たした杉本にとっては、才能の開花を印象付ける1年に。攻撃CBP、ドリブルCBPはリーグトップクラスの数字を記録し、14ゴールは2列目を主戦場とする選手の中では最多。チームは思うように組織力を高められなかった中、スタッツからも明らかなように、ソウザと杉本の個の力が攻撃に迫力をもたらしていた。

控えに選出したのは、庄司と同じく攻撃サッカーに欠かせない存在だった福満。攻撃CBPは庄司と小池に次ぐリーグ3位。アシストは10と、J2初挑戦とは思えないほどの堂々としたパフォーマンスを見せた。一方で、昨季はJ3で19ゴールを挙げた決定力が鳴りを潜めただけに、来季は得点の増加にも期待したい。

<FW>
★スタメン:鄭 大世(清水)
★スタメン:エスクデロ 競飛王(京都)

■控え:都倉 賢(札幌)、原 一樹(北九州)

鄭大世は2位以下を大きく突き放す26ゴールで得点王。アシストも10に乗せてチームをJ1復帰へ導き、文句なしの選出となった。シュートCBPはリーグ2位。清水は終盤に破竹の9連勝を達成したが、その期間中に自身も7戦連続ゴール。卓越した個人能力を見せつけた。

パートナーに選出したのはエスクデロ。加入が開幕直前だったため序盤は出場時間が限られたものの、チームにフィットして以降はオフェンスの中心としてレベルの違いを見せつけるプレーを披露。得点こそ5にとどまったが、攻撃CBPで山口の3人に次ぐ4位。パスCBPは6位、ドリブルCBPは2位、アシスト数は11と、チャンスメイカーとして特大の貢献を果たした。

控えの1人目は、得点ランキング2位の19ゴールを奪い、チームの優勝に大きく貢献した都倉。今回は、エスクデロの活躍をより評価した形となったが、彼をベストイレブンに選出していたとしても、誰も文句をつけられないだろう。それだけの存在感を放っていたことに違いはない。

2人目には、原を選出した。得点数は16で、シュートCBPはトップスコアラーの鄭大世を上回って1位。シュート成功率も20%を上回る高い数値を記録した。チームは降格の憂き目に遭ったが、頼れるストライカーの奮闘は評価されてしかるべきである。

鄭大世とコンビを組む大前もベストイレブンの有力候補であったが、規定の出場時間に満たなかったため、選外とした。とはいえ、シュートCBPはリーグ4位相当、18ゴールという数字の価値は明らか。鄭大世との2トップは、異次元の破壊力であった。

以上が各選手の選出理由となります。


激闘が続いたシーズンを象徴するかのごとく、さまざまなチームの選手を選出することになりました。最後に、長く厳しい1年を戦い抜いたプレーヤーたちをあらためて讃えたいと思います。

2016-12-06 21:00 RSS
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