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チャンピオンシッププレビュー ~雌雄を決するとき
2016-11-28 17:00 RSS

明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップの決勝は年間勝点1位の浦和と1stステージの王者である鹿島が激突する。リーグ戦の対決では、ともにアウェイチームが勝利を飾り1勝1敗。チャンピオンシップで正に今季の決着をつけることとなった。

では、どのような展開が予想されるだろうか。図表1を見ると、2戦ともにボールを保持していたのは多くの時間帯で浦和だった。特に、鹿島が1stステージの対戦時に記録した37.1%という数字は、34試合の中で彼らにとって最低。2ndステージのゲームでは46.6%であったことを考えれば、今回の対戦でも浦和のポゼッションが長くなることが予想される。

図表1  対戦時の時間帯別ボール支配率

その中心となるのは、チーム内でのパス数で最多の阿部と2番目に多い柏木だろう。彼らは敵陣へ出したパス数の多さでも1位と2位。特に、後者はビルドアップに顔を出すだけでなく、ラストパス数ではリーグ全体でトップとなる91回を記録するなど、最後の局面でも力を発揮しチームをけん引してきた。それだけに、浦和としては両者を生かし、鹿島としては自由を与えないことが重要なのは言うまでもない。

図表2 阿部、柏木がプレーした際に最も近くにいた鹿島の選手

そこで、図表2には両チーム対戦時において、阿部と柏木がプレーをした際に最も近くにいた回数が多い鹿島の選手を挙げた。2人のビルドアップ時のポジショニングの違いが示すように、22番には前線の金崎と土居、10番にはボランチの小笠原と柴崎がいることが多かったとわかる。それぞれのポジションで出場した選手が2人のボランチにプレッシャーを掛けることで、ボールを奪えずとも効果的なパスを出させないことが勝利への一歩となるはずだ。

図表3 6/11浦和戦の鹿島のコンパクトネス

そのために大事なことの1つは、陣形をコンパクトに保つこと。相手がボールを保持している時の縦のコンパクトネスを見ると、鹿島の年間での平均は31.2m。浦和との対戦時を振り返ると、勝利した6月11日のゲームでは29.6mでさらにその試合の後半だけに限ると28.6mと短かったのだ。距離が短ければ良いというわけではないが、よりチーム全体で相手に圧力を掛けようとしていた結果なのではないだろうか。同様なプレー振りで、相手のリズムを少しでも乱すことが鹿島には求められるだろう。

浦和がどのようにボールを保持して鹿島がそれをどのように阻むか。今季の栄冠はどちらの頭上に輝くのか、果たして。



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