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2016年J1 1stステージベストイレブン
2ステージ制が復活して、2年目のシーズンを迎えた明治安田J1。今季の1stステージは、川崎Fが悲願のタイトルへ向けてあと一歩まで迫ったが、最後は鹿島が怒とうの6連勝を飾って優勝を果たした。
7月2日の2ndステージ開幕が迫る中、フットボールラボでは、チャンスビルディングポイント(以下CBP)を中心としたデータから独自のベストイレブンを選出。フォーメーションは「4-4-2」を採用した。前半戦で輝きを放った選手は誰か。後半戦の行方を占う意味でも注目だ。
なお、対象となる選手は出場時間が所属チームの試合時間の3分の2以上としており、CBPは累積の値となる。
<GK>
★スタメン:キムスンギュ(神戸)
■控え:東口 順昭(G大阪)
GKはセーブCBPでトップ、セーブ数で2位のキムスンギュを選んだ。今季から加入した韓国代表は、失点数は多いが、防いだピンチはそれ以上に多い。神懸かり的なプレーで何度もチームの窮地を救ってみせた。
サブにはセーブCBPが5位、セーブ数で3位の東口を選出。セーブキャッチ率は唯一の70%超えで、安定感のあるセービングを披露。不調の時期もあったチーム状況の中、孤軍奮闘の活躍でゴールを守った。
<CB>
★スタメン:渡部 博文(仙台)
★スタメン:昌子 源(鹿島)
■控え:遠藤 航(浦和)
センターバックは、守備CBPなど守備関連のデータと空中戦に注目して選出。
まず、守備CBPで2位につける渡部を1人目に選出した。チームの総失点は多いものの、ディフェンスリーダーとして奮闘。長身を生かした空中戦の強さは折り紙つきで、相手の攻撃をはね返すだけでなく、ゴール前のターゲット役としてセットプレーから3ゴールを挙げている。
コンビを組むのは昌子だ。守備CBP、ボールゲインの数値はリーグ全体で1位、タックル数は表の中の選手内でトップに立つなど、体を張ったディフェンスで鹿島の堅守を支えた。空中戦の勝率は高いとはいえないが、機動力があり、一対一に強いという特性は渡部との相性が抜群だ。
控えには遠藤をチョイス。新天地ではどのポジションで起用されるのか注目が集まっていたが、第3節以降は3バックの中央に定着。戦術理解度の高さを改めて見せ、浦和の守備を引き締めた。
<SB>
★スタメン:ミキッチ(広島)
★スタメン:山本 脩斗(鹿島)
■控え:伊東 純也(柏)
サイドバックはクロスCBP、ドリブルCBPなど攻撃に関連する項目に注目しながらも、守備CBPなど、ディフェンス面も選出基準とした。
右サイドバックにはミキッチを選出。ケガの影響もあって出場は13試合にとどまったが、それでもクロスCBPは2位以下を大きく引き離す数値を記録した。ドリブル数もリーグトップの数字で、ドリブルCBPはリーグ全体で見ても5位。衰え知らずの36歳のベテランは、2ndステージでも広島のサイドアタックをけん引する。
左サイドバックに選んだのは山本。決して目立つタイプの選手ではないが、その貢献度は数値に表れている。クロスの成功率は表の中の選手ではトップ。守備CBPも3位に入っており、機を見た攻め上がりと堅実な守備でチームに貢献した。
控えに選出の伊東はクロスCBP、ドリブルCBPでともに高い数値を記録。シーズンが進むにつれて、高い位置での起用が増えたが、このポジションで選出している。スピードを生かした突破が持ち味で、2ゴール4アシストと十分な結果を残した。
<CH>
★スタメン:大島 僚太(川崎F)
★スタメン:阿部 勇樹(浦和)
■控え:レオシルバ(新潟)
センターハーフは、パスCBPなどパス関連の項目と攻撃CBP、そして守備に関する項目を基準とした。
チーム内の競争は激しいが、大島はしっかりとポジションを確保。持ち前の正確なパスさばきを見せ、リーグ全体でパスCBPは6位、攻撃CBPは5位にランクイン。タックル数自体は多くないが、成功率は表の中の選手内で3位と、守備面でも成長の跡がうかがえる。
阿部はパスCBPとパス数が表の選手内で1位。パス成功率は森崎和に続く数値で、90%超えと高い精度を誇った。熟練のボランチは、守備CBPでも表の選手内で4番目につけるなど、攻守のバランスをうまく取っていることがうかがえる。
控えに選んだのは、リーグトップのタックル数を誇るレオシルバ。タックルの成功率も80%を超えており、新潟の大黒柱としてチームを支えた。パスCBPと攻撃CBPはともにリーグ9位につけており、今季から就任した吉田監督のサッカーにも高い順応性を見せている。
<OH>
★スタメン:中村 憲剛(川崎F)
★スタメン:宇佐美 貴史(G大阪)
■控え:家長 昭博(大宮)、柴崎 晃誠(広島)
オフェンシブハーフには、ゴールとアシストを主に、攻撃に関する決定的な仕事ができることを基準とした。
一人目は、今季も川崎Fのパスワークの中心に君臨する中村。リーグ断トツとなる攻撃CBPとパスCBPの数値に加え、スルーパス数とラストパス数でもリーグ全体で1位の数字を残した。圧巻のパフォーマンスを披露しながらも、優勝が決まる可能性があった第16節では負傷によって欠場。またしてもタイトル獲得の夢はかなわなかったが、その悔しさを力に変えて今季を笑顔で終えることはできるか。
左サイドには宇佐美を起用した。ノーゴールの時期も続いたが、攻撃CBPはリーグ全体でも4位、ドリブルCBPは3位の数値だ。最終的には4ゴール5アシストとまずまずの結果を残した。再びドイツへと旅立つエースの穴は大きく、果たしてチームとしてどのように穴を埋めていくのか。
1年でJ1へ帰ってきた大宮は1stステージで5位と躍進。その中心選手である家長は表の中の選手内でドリブル成功率がトップで、スルーパスの成功率は2位につける。持ち前の強じんなフィジカルを生かしたボールキープから、スルーパスを繰り出して多くの好機を演出した。
2人目の控えは柴崎だ。アタッキングサードへのパス成功率が2位で、スルーパス成功率は唯一80%を超える数値を残して堂々の1位。リーグトップタイとなる6アシストを記録し、結果を残した。豊富な人材がそろうポジションにあって、フル出場を果たしており、指揮官からの厚い信頼がうかがえる。
<FW>
★スタメン:大久保 嘉人(川崎F)
★スタメン:ピーター ウタカ(広島)
■控え:シモビッチ(名古屋)
FWはゴール数やシュートに関する項目を基準に選出した。
1人目に選んだのは大久保。前人未到となる3年連続の得点王に輝いたストライカーは今季も健在。Jリーグ通算最多得点記録をあっさりと更新し、その記録を自ら塗り替え続けている。シュート数は表の中の選手ではトップ。その他の項目は決して高いとはいえないが、何よりもまずゴールを狙う姿勢が結果につながっているといえる。
文句なしの選出となったのがピーターウタカだ。昨季の得点数をすでに上回る13ゴールをマーク。すべての項目の数値が優れており、得点王への道をまい進している。その一方でアシスト数も5を記録。周囲と生かし、生かされる関係を築き上げて新天地で輝きを放っている。
控えには圧倒的な高さを誇るシモビッチを選出。ここまでで9ゴールを挙げ、シュートCBPは表の中の選手内で2位、シュート決定率は3位。日本での初シーズンながら、その実力を遺憾なく発揮している。
Football LAB 藏重
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2024-11-04 15:10
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