図表1:セレッソ大阪の時間帯別ボールロスト
15分を過ぎると、先制をした影響もあり岡山は前からプレスを掛けるのではなくブロックを作るようになる。そのため、C大阪のポゼッションは上がりパス数も増加。敵陣深くに入り込む場面が増えてきたのは、時間帯ごとのエリア別進入数を見ても明らかといえるだろう。その一翼を担ったのが途中から出場した扇原だ。味方選手のアクシデントによる投入であったにも関わらず、長短のパスを散らして攻撃にリズムを生んだ。同点弾を導いたのも彼の左足でのクロスであった。
図表2:時間帯別エリア進入データ
図表3:時間帯別岡山の敵陣でのスローイン回数
さて、1-1になった後もC大阪がボールを保持して主導権を握る展開は変わらず。63分には自陣でボールを奪うと、約17秒で6本のパスをつなぐ見事なカウンターで勝ち越し点をゲットするなど、良いリズムでゲームを進めていたといえるだろう。攻略の糸口をつかみたい岡山であったが、序盤と終盤を除き彼らの得点源ともいえるスローインを敵陣で投げる場面すらないなど(図表3)、チャンスに至る場面はほぼ皆無であった。ちなみに、片山は今季ここまでスローインで3回アシストをしているが、09年以降においてスローインで年間3アシスト以上を記録したのは、11年に4アシストをしたミリガン(当時千葉)と藤田(当時鳥栖、現神戸)の2人のみであることを付け加えておく。
終盤になると、リードを許したアウェイチームが再び前に出てきてスローインやCKの場面は増加した一方で、ホームチームは自陣やミドルサードでボールを奪ってから約10秒前後でペナルティエリアに進入するなど、柿谷を軸にカウンターを仕掛けてチャンスを演出した。しかし、互いに得点は生まれず試合はこのまま終了。C大阪が勝ち点3を手に入れた。
図表4:ボール奪取位置と同攻撃内のペナルティエリア進入までの時間