HOME » 多摩川クラシコ ~パスをつないだその先に~
図表1:スタメンとフォーメーション
7月11日に2ndステージが開幕。優勝を目指す川崎FとFC東京は、通算26回目となる「多摩川クラシコ」に臨んだ。今回はデータを使って、その試合を振り返ってみる。
図表2:時間帯別ボール支配率
試合を通じてボールを保持したのは、図表2が示すようにホームチームだった。この試合で98本ものパスを供給したボランチの大島や、1stステージの清水戦以来となるスタメン出場を果たした中村を中心に攻撃を展開。しかし、60%を超えるボール支配率を記録したが、相手のコンパクトな組織を崩すには至らず。図表3には「両チームがどの程度相手のゴールに迫ったか」を載せたが、前半はペナルティエリアの中に進入したのはわずか2回で、ペナルティエリアの中から打ったシュートは前半39分にCKをエウシーニョが合わせた場面のみであった。
図表3:試合経過時間と攻撃の進度
一方、アウェイチームは前半13分には敵のミスに乗じて前田がシュートを放つなど、マイボールにした後の素早い仕掛けが目立った。例えば、奪ってからシュートまでの時間を見ると川崎Fが32.8秒であったのに対して4.5秒とその差は歴然。特に、序盤にゴールに迫っていたことは図表3を見ても良く分かるはずだ。
その中で、スコアが動いたのは後半7分だ。小宮山がボールをカットすると中村のサイドチェンジを含めて22本ものパスをつなぎエウシーニョが先制点を奪った。この試合で、中村は2本のサイドチェンジを送ったが、2本ともシュートにつながっている。また、この場面が流れの中での2度目のペナルティエリアへの進入であった。さらに、ドリブル回数がリーグで1位であるレナトのドリブルからFKを獲得すると、彼が直接決めて2点差に。その後は、追い掛ける相手を尻目に、敵のCKから見事なカウンターで決定的な場面を作り出すなど、そのまま逃げ切り完封で勝利を収めた。
序盤こそ良い場面を作り出したFC東京であったが、今季のチーム内のシュート数ランキングは1位が移籍した武藤、2位がDFの森重であることが示すように、オフェンス面で迫力が足りなかったことは確か。太田のFKも不発に終わるなど悔しい敗戦となった。
次節は川崎Fがアウェイで鳥栖と、FC東京がホームで新潟と激突する。いきなりの大一番の後で、両チームはどのようなプレーを見せるのか。
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