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[J2] 攻守の切り替えデータにおいて、昨季から変化したチームは?
2015-04-17 18:00 RSS

J2は7節を終え、各チームの特徴や傾向が数値となって表れ始めた。22チームそれぞれに話題は尽きないが、今回のコラムでは「攻守の切り替え」に関連するデータを昨季と比較し、変化を遂げたチームについて紹介しよう。

ジュビロ磐田の好調は新外国人だけにあらず


昇格候補の1つである磐田は7節終了時点で16ポイントを奪い、現在2位。ジェイアダイウトンカミンスキーといったポテンシャルの高い助っ人を獲得し、そんな彼らの活躍も目を見張るものがあるが、好調を支えている1つの要因として、攻守の切り替え時の変化が挙げられる。昇格を争った昨季も高い数字を記録していたが、今季に入ってその値はさらに顕著なものとなった。

ボールを奪った平均位置は22チーム中で最も高く、それに伴ってボール奪取からシュートに至る割合も増加。この点は独力でゴールへ迫れるアダイウトンの加入効果と、シュート意識が高くなった小林祐希のプレーが影響している。
※小林の出場90分当たりのシュート数(セットプレー除く)は、昨季の名波監督就任後で2.2本。今季は2.9本。

攻撃から守備への切り替えという点では、ボールを奪われてからシュートを打たれる割合が4.7%まで減り、リーグで最も少ない数値に。ボールロストして5秒以内に取り返す割合が大きく上昇し、相手の攻撃を早い段階で摘む傾向が出ている。

進撃中のツエーゲン金沢。C大阪戦で見せた弱みとは


J3からの昇格組である金沢の躍進を予想できた方はどれくらいいるだろうか。4節の岐阜戦から4連勝。特に、前節は敵地でC大阪を破ったことで、その実力を証明した。

金沢の昨季はJ3のため、リーグが異なる中での比較となる。こういうケースの場合、昨季の数字に対して今季は落ちてしまうというケースがよくあるのだが、今季の金沢の場合、守備への切り替えについてはほぼ変化がなく、昨季に近いデータとなっている。状況にもよるが、危険なエリアでない限りボールを奪われてもすぐに取りにいくスタイルではないため、5秒以内に取り返す割合は高くない。とはいえ、時間を加味せずに奪い返した割合を見ると、リーグ5位の高さとなった。

ボールを失ってから被シュートへ至った割合は8.2%。実はこのコラムの準備を始めた段階(6節終了時点)では、5.9%と昨季よりも良い数値だった。しかし、C大阪戦でのロストからの被シュート割合で20.2%を記録し、現在の数値に。この試合におけるC大阪のボールを奪ってからシュートへ至った攻撃のプレーエリアを見ると、右サイド(金沢側から見ると左サイド)を狙っていることが分かる。結果的にゴールにたどり着くことはなかったが、このデータは今後無視できないものとなるかもしれない。

苦しむ大分トリニータの長所と課題


最後に紹介するのは大分だ。昇格を目指すチームだが、7試合で得た勝ち点はわずか4。苦戦が続いているが、データでは良い部分と悪い部分がくっきりと分かれている珍しい状況となっている。


奪われてから被シュートに至った割合は5.2%とリーグ3位の低さで、昨季よりも大きく減少。奪われてから5秒以内に取り返す割合も約4%増加し、こぼれ球奪取率を見ると全エリアで50%を超えている。ボール奪取位置も昨季に比べて高くなった。


ここまで見るといいデータが出ているのだが、問題はこの後にある。ボール奪取直後のパスの成功率は80.7%でリーグ19位。同様に、こぼれ球奪取直後のパス成功率もリーグ20位となっている。このパスがリスクの少ない縦へのロングパスなどであれば、失敗が多くとも大きな問題にはなりにくいが、上記のパスデータをショートパスに限定してもほぼ同じ順位。ボールを奪えたとしても、そこからつながらないという状況だ。

さらに大分の課題の1つとして、相手のセットプレーへの対応も挙げられる。大分は、被シュートそのものはリーグでも少ない方だが、被シュートに対してセットプレーから5プレー以内にシュートを打たれた割合は50.6%とリーグで最も高い。

現在の長所を生かしつつ、いかに課題を克服するかが浮上へのカギとなる。

■関連リンク

ジュビロ磐田のシーズンサマリー
http://www.football-lab.jp/iwat/

ツエーゲン金沢のシーズンサマリー
http://www.football-lab.jp/kana/

大分トリニータのシーズンサマリー
http://www.football-lab.jp/oita/

2015-04-17 18:00 RSS
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