J2は7節を終え、各チームの特徴や傾向が数値となって表れ始めた。22チームそれぞれに話題は尽きないが、今回のコラムでは「攻守の切り替え」に関連するデータを昨季と比較し、変化を遂げたチームについて紹介しよう。
ジュビロ磐田の好調は新外国人だけにあらず
進撃中のツエーゲン金沢。C大阪戦で見せた弱みとは
ボールを失ってから被シュートへ至った割合は8.2%。実はこのコラムの準備を始めた段階(6節終了時点)では、5.9%と昨季よりも良い数値だった。しかし、C大阪戦でのロストからの被シュート割合で20.2%を記録し、現在の数値に。この試合におけるC大阪のボールを奪ってからシュートへ至った攻撃のプレーエリアを見ると、右サイド(金沢側から見ると左サイド)を狙っていることが分かる。結果的にゴールにたどり着くことはなかったが、このデータは今後無視できないものとなるかもしれない。
苦しむ大分トリニータの長所と課題
最後に紹介するのは大分だ。昇格を目指すチームだが、7試合で得た勝ち点はわずか4。苦戦が続いているが、データでは良い部分と悪い部分がくっきりと分かれている珍しい状況となっている。
奪われてから被シュートに至った割合は5.2%とリーグ3位の低さで、昨季よりも大きく減少。奪われてから5秒以内に取り返す割合も約4%増加し、こぼれ球奪取率を見ると全エリアで50%を超えている。ボール奪取位置も昨季に比べて高くなった。
ここまで見るといいデータが出ているのだが、問題はこの後にある。ボール奪取直後のパスの成功率は80.7%でリーグ19位。同様に、こぼれ球奪取直後のパス成功率もリーグ20位となっている。このパスがリスクの少ない縦へのロングパスなどであれば、失敗が多くとも大きな問題にはなりにくいが、上記のパスデータをショートパスに限定してもほぼ同じ順位。ボールを奪えたとしても、そこからつながらないという状況だ。