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2014年J1 年間ベストイレブン
年間の勝点でチャンピオンを決める現行のレギュレーションに、一区切りをつける今シーズン。
ブラジルワールドカップへ向けて、誰がアピールに成功し、その切符をつかむのかに注目した序盤戦。終盤は、スタートでつまずき、中断前の時点で降格圏に沈んでいたG大阪が逆転優勝を果たすという「大どんでん返し」で幕を下ろしました。
そんな1年間を通して活躍したのは誰なのか。フットボールラボではJ3リーグに続き、チャンスビルディングポイント(CBP)を基準としたデータから独自のベストイレブンを選出しました。
フォーメーションは、3バックにダブルボランチを置いて1人のオフェンシブハーフを据えた「3-4-1-2」。
なお、対象となる選手は出場時間が所属チームの試合時間の3分の2以上としています。
<GK>
★スタメン:榎本 哲也(横浜FM)
■控え:西川 周作(浦和)
GKはセーブ率、チーム失点数、パスCBPを基準に選出しました。
リーグ最少失点を記録した横浜FMの榎本選手は全試合にフル出場。セーブ率も3位に入り、クリーンシート数14はリーグ2位タイの記録でした。
西川選手はセーブ率が6位ながらも、パスCBPはGKの中で1位。クリーンシート数は16とリーグトップで、浦和が優勝していれば彼のシーズンと評しても過言ではないパフォーマンスでした。
なお、甲府の荻選手は対象選手の中で最少失点を記録していますが、序盤戦では欠場することが多く、シーズンを通しての活躍とはいい難いため、選外としています。
<CB>
★スタメン:那須 大亮(浦和)
★スタメン:山本 英臣(甲府)
★スタメン:中澤 佑二(横浜FM)
■控え:岩下 敬輔(G大阪)
センターバックは、守備CBPとチーム失点数の少なさ。加えて、攻撃への第一歩となるパス関連のデータを基準に選出しています。
那須選手は守備CBPで5位に入り、パスCBPも同ポジションの選手の中では3番目に高い数値を記録。浦和では左右に位置する槙野選手、森脇選手が攻撃的で高いポジションを取ることもあり、那須選手のリスクマネジメント能力の高さをチーム失点数の少なさが証明しています。
山本選手は守備CBPで7位。リーグで2番目に少ない失点数を誇る甲府の最終ラインの中央に構え、抜群の読みでチームを支えました。
横浜FMの中澤選手は、守備CBPが8位。36歳にして全試合でフル出場を果たし、チームのリーグ最少失点に貢献しています。
控えとして選出したG大阪の岩下選手は、リーグ2位タイの失点数の少なさで優勝したチームの守備を支えました。最終ラインのほかの3つのポジションでは選手の入れ替わりが多く、その中で32試合に出場していることからも長谷川監督からの信頼の厚さがうかがえます。
<CH>
★スタメン:柴崎 岳(鹿島)
★スタメン:遠藤 保仁(G大阪)
センターハーフはパスCBPを中心に、得点への関わり具合を基準に選出しました。
鹿島の柴崎選手はパスCBPが7位で、シュートCBPでも上位にランクイン。以前は、小笠原選手の陰に隠れがちな印象でしたが、今季はインパクトの強い得点を挙げるなど、存在感が日ごとに大きくなっていくのを感じました。
G大阪の遠藤選手は3位だったパスCBPに加え、アシスト数は1位。全試合で先発出場を果たし、攻撃の中心としてチームを優勝へとけん引しています。
<サイド系>
★スタメン(RWB):ペドロ ジュニオール(神戸)
★スタメン(LWB):橋本 和(柏)
■控え:遠藤 康(鹿島)
■控え:家長 昭博(大宮)
サイドの選手はクロスCBPを中心としながらも、攻撃に関連するデータを基準に選出しました。(SB、SH、WBをまとめています)
神戸のペドロジュニオール選手はゴールとアシスト数の多さに加え(Goalの表を参照)、ドリブルCBPは全体で5位。前半戦では上位争いを演じ、リーグに旋風を巻き起こしたチームにおいて強烈なプレーで右サイドに君臨しました。
柏の橋本選手は、クロスCBPで2位以下を大きく引き離す数値をたたき出しています。また、アシスト数も多く、「左サイドのスペシャリスト」としての地位を確立しました。
控えに選出した鹿島の遠藤選手は、10ゴール7アシストという結果が目を引きます。プレースキッカーを務め、リーグ最多得点数を記録したチームにおいて攻撃の中核を担っていました。
家長選手は、数値の高さと結果では申し分ないですが、大宮の降格もあり、控えでの選出としています。
<OH>
★スタメン:宇佐美 貴史(G大阪)
■控え:中村 憲剛(川崎F)
オフェンシブハーフは攻撃CBPに加え、攻撃に関連するCBPの高さ。さらに、ゴールやアシストという結果を基準に選出しました。
G大阪の宇佐美選手は出場時間がわずかに不足しており、今回の対象選手からは外れていますが、得点とアシストの多さ。加えて、ドリブルCBP1位、シュートCBP2位という数値の高さから例外的に選出としています。また、2列目まで下がって組み立てに参加することも多いことから、オフェンシブハーフのポジションをセレクトしています。宇佐美選手がケガから復帰するまでのチームは攻撃がかみ合わない試合が多かったですが、彼がスタメンに定着してからは、右肩上がりに勝点を獲得。他を寄せ付けない個の力をまざまざと見せつけると、流れを変えるキッカケとして大きな役割を果たしました。
川崎Fの中村選手は圧倒的なパスCBPの数値を記録し、アシスト数も13。しかしながら、チームが失速した終盤戦に戦線からの離脱を余儀なくされてしまったこともあり、控えでの選出としています。
<FW>
★スタメン:大久保 嘉人(川崎F)
★スタメン:レアンドロ(柏)
■控え:小林 悠(川崎F)
■控え:豊田 陽平(鳥栖)
FWは、ゴール数、アシスト数をはじめとするゴールへの貢献度に加え、「味方のシュートに結び付く効果的なプレーをどれだけ行えたか」という攻撃CBPの高さを基準に選出しました。
川崎Fの大久保選手は2年連続での得点王を獲得。攻撃CBPでも全体で9位にランクイン。どこからでも得点を狙えるシュートレンジの広さとゴールへの積極性は、ファンを魅了し続けています。
柏のレアンドロ選手は、得点とアシスト数の合計を20の大台に乗せました。自らゴールを決めるだけでなく、パスもさばける頼れる存在といえます。連係が深まった終盤戦では上位進出へ向けて猛追を見せるチームの立役者として、大活躍をしました。
控えとして選出した川崎Fの小林選手はシュートCBPの高さと、アシストの多さが印象的。その活躍はアギ―レ監督の目に留まり、日本代表でのデビューも果たしました。
鳥栖の豊田選手は、得点ランキング2位の15得点。フィジカルの強さだけではなく、柔軟な身のこなしからゴールを決めるなど、スケールの大きさを感じました。
以上が各選手の選考理由となります。
選手個人のデータを基準においての選出のため、順位が反映されない部分があるかと思いますが、ご了承ください。
何が起こるか分からない面白さが年々増している印象のJリーグ。来年はどんな予想外の出来事が起きるのか、今から楽しみで仕方ありません。
下記に2013年の年間ベストイレブンコラムのリンクを置いておきました。
昨季との比較もお楽しみください。
■関連リンク
2013 J1年間ベストイレブン
2014 J3リーグ年間ベストイレブン
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