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2014年J3リーグ 年間ベストイレブン
Jリーグに所属する22歳以下の選手を選抜したJ-22の参加もあり、注目を集めた一年目のJ3リーグ。序盤戦は町田が抜け出すも、立て直した金沢と長野が猛追して終盤は三つどもえの争いに。最後は、金沢がJ3リーグ初代王者に輝き、長野が入れ替え戦への挑戦権を得て幕を閉じました。
フットボールラボでは、今季もチャンスビルディングポイント(CBP)を基準としたデータから、独自のベストイレブンを選出しています。年間を通して活躍したのは誰なのか。
フォーメーションは、3バックにワンボランチを置いて2人のオフェンシブハーフを据えた「3-5-2」。
なお、対象となる選手は出場時間が所属チームの試合時間の3分の2以上としています。
<GK>
★スタメン:原田 欽庸(金沢)
■控え:田中 謙吾(長野)
GKはセーブ率とチーム失点数を基準に選出しました。
原田選手は全試合に出場して失点数は最少を記録。また、セーブCBPも3位と健闘しながら、セーブ率は唯一の80パーセント台と抜群のパフォーマンスを見せました。
控えの田中選手は、全試合に先発してフル出場。クリーンシート数では原田選手と同じ19回を記録しています。
<CB>
★スタメン:太田 康介(金沢)
★スタメン:大島 嵩弘(長野)
★スタメン:平 智広(町田)
■控え:作田 裕次(金沢)
センターバックは守備CBPとチーム失点数の少なさ。加えて、攻撃への貢献度を基準に選出しました。
金沢の太田選手は全試合にフル出場。身長は175センチと大柄とはいえないものの、セットプレーでの得点力が光り、7ゴールを記録しています。
長野の大島選手は、リーグの中では少数派の3バックで戦うチームにおいて、その中央に君臨。的確なカバーリングで安定したプレーを見せていました。
町田の平選手は適切なポジション取りと空中戦の高さが武器で、コンビを組む深津選手と強固なディフェンスを披露。守備CBPで3位に入り、優勝した金沢に次ぐ失点の少なさを記録したチームにあってその貢献度を評価しました。
控えの作田選手は、太田選手とシーズンを通してコンビを形成。GKとしてベストイレブンに選出した原田選手を含めた「不動のトライアングル」が、終盤の6試合連続での零封など、抜群の安定感を生み出した要因といえます。
<サイド系>
★スタメン(RWB):鈴木 崇文(町田)
★スタメン(LWB):曽我部 慶太(相模原)
■控え:清原 翔平(金沢)
■控え:遠藤 敬佑(町田)
サイドの選手はクロスCBPを中心としながらも、得点にどれだけ関与したかを基準に選出しました。(サイド系としてSB、SH、WBをまとめています)
町田の鈴木崇文選手はクロスCBPでは上位にランクインしていませんが、9得点8アシストを記録し、シュートCBPは2位。左足から放たれる正確なボールは相手の脅威となり、チームに勝点3をもたらすFKでのゴールも強い印象を残しました。
相模原の曽我部選手は、シーズン終盤はFWで先発する機会も増えましたが、それまでは主に中盤のサイドを主戦場としていたので、このポジションで選出。クロスCBPの高さに加えて7ゴール、6アシストという充実した結果も残しました。さらに、ドリブルCBPでも4位(攻撃CBPの表を参照)と自ら相手の守備を切り崩していけるのが強み。総合的な数値の高さが光りました。
控えの清原選手は、9得点5アシストと素晴らしい結果を残しています。キャプテンとしても、金沢を優勝へと導きました。
また、町田の遠藤選手は出場時間が選出条件を満たしていないものの、アシスト数が10でトップの数字。初代アシスト王として、例外的に選出しました。
<CH>
★スタメン:李 漢宰(町田)
センターハーフは守備CBPとパスCBPを基準に選出しました。
パスCBPでは惜しくもベスト10入りを逃しましたが、守備CBPではセンターハーフの選手内で2番目の数値を記録。1位となった秋田の新里選手がシーズンの途中からサイドバックとしてプレーしていたことも考慮し、李選手の選出としています。熱い闘争心とは裏腹に、緻密な面も持ち合わせる「ベテランらしさ」が目に付きました。
<OH>
★スタメン:熊林 親吾(秋田)
★スタメン:佐藤 悠希(長野)
オフェンシブハーフは攻撃に関連する項目のCBPと、ゴール数、アシスト数といった結果を基準に選出しました。
熊林選手は、自陣深くから徹底してつなぐというスタイルを持つ秋田の象徴的な存在。攻撃のスイッチを入れる役割を担い、シュートへつながるプレーには必ず絡んでいるといっても過言ではありません。チームは8位という順位でしたが、個人としては9アシストを記録し、攻撃CBPはリーグトップ。十分に結果を残したといえます。
長野の佐藤選手は周りを生かすプレーを主としながら、自らも輝けるプレーヤー。それが顕著に表れているのが、シュートCBP、パスCBPの高さに反比例するドリブルCBPの低さかもしれません。9ゴール、6アシストと目に見える結果も残しました。
<FW>
★スタメン:鈴木 孝司(町田)
★スタメン:宇野沢 祐次(長野)
■控え:大石 治寿(藤枝)
FWは、ゴール数に加え、攻撃CBPを基準に選出しました。
町田の鈴木孝司選手は19ゴールで初代得点王を獲得。両足と頭でバランス良くゴールしているのが印象に残ります。また、駆け引きがうまく、対じするDFの読みを上回る動き出しが秀逸でした。
長野の宇野沢選手は攻撃CBPとドリブルCBP(攻撃CBPの表を参照)でFW内のトップとなる数値を記録。当時、首位だった町田との大一番となった23節で、ほかの選手とともに頭を丸めてきた姿は、昇格への強い意気込みを感じさせました。この大一番を制して勢いに乗った長野。宇野沢選手のキャプテンシーが、チームを2位へと押し上げたのかもしれません。
控えの大石選手は、3人の中で唯一セットプレーからの得点がゼロ。ダイレクトで合わせるゴールが多く、ミートする技術の高さがうかがえます。
以上が各選手の選考理由となります。
シーズンの始めはミスが目立つ試合も散見されましたが、徐々にチームのまとまりが目に見えてくるなど、J1、J2とはまた違った魅力を感じた1年でした。また、J-22の大敗が意外にも多く、連係を高めることの難しさを思い知らされた方も多いのではないでしょうか。
最後に、選手個人のデータを基準においての選出のため、順位が反映されない部分があるかと思いますが、ご了承ください。
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