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それぞれが描く残留のシナリオ
2014-10-30 18:00 RSS

今季の残留争いは、ある意味、優勝争い以上に目が離せない。徳島の降格は決まったものの、残り2枠の行方は宙を漂ったまま。30節の終了時点で、勝点3差の中に5チームがひしめき合う混戦となっている。その中には、Jリーグ初年度から在籍する清水、大型補強で注目をさらったC大阪の姿も。誰が生き残り、誰が降格に涙を流すことになるのか。今回は、残り4試合となった残留争いの行方を展望する。

■日程から読む残留の行方
まず、甲府、仙台、大宮、清水、C大阪の31節以降の日程を、対戦成績とともに確認しておく。注目すべきは、C大阪が甲府、仙台、大宮との直接対決を残していることだ。現在、17位のC大阪だが、得失点差というアドバンテージもあるため、ライバルとの対戦で勝点3を得ることができれば、降格圏を抜け出す可能性は高くなる。ただ、甲府を含め、通算対戦成績で優勢の相手はいない。33節に鹿島、34節に大宮との対戦があるだけに(大宮については後述)、甲府、仙台との2試合が彼らにとって「カギ」となるか。

他方、清水は甲府との通算対戦成績が8勝1分けと、相性の良さを見せる。その甲府とは最終節に戦うこととなるが、そこまでの3戦が、川崎F、柏とのアウェイゲームなど、苦戦の予想される試合が多い。特に、柏はホームゲームで13試合連続の無敗。最終節のアイスタに希望をつなげることができるか、若きオレンジ軍団の試練が続く。

■変革か継続か
5チーム中4チームがシーズン中に監督交代を行っている中、甲府は城福監督に望みを託す。得点力不足の解消には至っていないものの、被シュート数、被スルーパス数はリーグトップの少なさとなっており、守備の完成度は上位陣に引けを取らない。また、前節は川崎Fから今季初の逆転勝利を挙げることに成功。上位、下位ともに混戦の模様となっていることは、組織力と守備力に定評がある甲府にとって、好材料となるかもしれない。

■沈まぬオレンジ
大宮は10シーズン連続の残留争い。過去は全てのシーズンで残留を成功させているものの、順位の推移表からわかるように、その多くは「失速型」だった。5月という早い時期から10試合連続で未勝利となった今季は、彼らにとっても深刻な事態といえたが、監督交代を契機に浮上。持ち前のリバウンドメンタリティーを、今季も見せている。

その大宮が本領を発揮するのが、これからの時期だ。過去9シーズンのデータを見ると、32節から34節までの通算成績は12勝12分3敗。最終節に関しては、一度も負けた経験がない。例年以上の大混戦となった今季の戦いでも、大宮は生き残ることができるのか。記録の更新とともに、大きな注目が集まる。

2014-10-30 18:00 RSS
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