HOME » 猛追する浪速の青黒軍団~G大阪の中断前後比較~
6連勝を飾り2位に浮上したG大阪。W杯による中断明け以降の成績は11勝1分け1敗、36得点はリーグで最多で8失点は同最少と抜群の安定感を見せている。14節終了時点では勝点15の16位であっただけに、この躍進は特筆に値するだろう。そこで今回は、彼らにどのような変化があったのかを探っていく。
図1:中断後のG大阪内の各選手のゴール
「42.9%」
この数字が何を意味するか分かるだろうか。これは図1に示した15節以降の試合におけるパトリックと宇佐美による得点数の総数に対する割合だ。全ゴールの半分近くを2人が奪っているというデータだけでも、オフェンス面における彼らの貢献度がどれだけ高いか分かるだろう。とりわけ、前者は7月に途中加入をすると即座にチームのスタイルにフィットし、宇佐美と見事な関係を構築(図2)。鹿島戦では宇佐美のアシストでパトリックが得点を奪うなど、ホットラインとして攻撃を牽引している。
図2:ラストパスとシュート、アシストとゴールの組み合わせ
図3:ボール奪取、タックルのエリア別平均本数と割合
一方、守備に目を向けると前から奪いに行くのではなく、後方でブロックを築くようになったことが変化の1つといえるだろう。図3にはボール奪取位置とタックルをした位置の変化を載せた。どちらもアタッキングサード(以下A3rd)での割合が低くなりディフェンシブサード(以下D3rd)での割合が高くなっていることが分かるだろう。また、図にはないがシュートを打った時にどこでマイボールにしたかを比較しても、A3rdで奪ってシュートに至った割合が17.0%から8.2%に減少。自陣で守備組織を作って対応していることが読み取れる。
また、セットプレーでゴールを奪われなくなったことも変化の1つといえる。15節以降でセットプレーから3プレー以内の失点は、PKによる2点を除けば0。中断前は直接を除いたものが4点であったことを考えれば、セットプレーへの対応は改善されたといえるはずだ。
図4:中断後のD3rdロスト数
最後に、攻守において安定している中で課題を挙げるとすれば、D3rdでボールを失う場面が多いことか。中断後で見るとリーグで2番目の値と少なくはない。自陣ゴールに近いエリアでボールを失うことは失点に直結しかねないだけに、修正の必要があるといえるだろう。
27節終了時点で首位の浦和との勝点差は7。このまま勝利を積み重ねられれば、05年以来となるリーグでの優勝が近付いてくるに違いない。
関連リンク
ガンバ大阪・シーズンサマリー
ガンバ大阪・日程結果、各試合の得点者
宇佐美貴史・選手データ
パトリック・選手データ
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2024-11-04 15:10
2024-03-27 09:55
2023-12-05 12:45