HOME » データでひも解くW杯 -準決勝プレビュー-
4試合が全て1点差以内と激闘であった準々決勝が終わり、残された国は4。世界の頂点を目指す戦いは大詰めを迎えた。そこで、今回はデータを元に準決勝を展望する。
・ブラジル対ドイツ
7月9日に激突するのは優勝回数5回のブラジルと同3回のドイツだ。ポイントは、開催国のエースであるネイマールの欠場が濃厚であることだろう。チームの10得点のうち4得点を奪った彼の欠場がどのような影響をもたらすのか。図1には、今大会でシュート3プレー以内に関わった選手のプレー数を載せた。ブラジルで最も多かったのはネイマール。2番目に多いマルセロと比べても倍以上の差があることが分かる。フィニッシャーとしてだけでなく周囲を生かすことでも機能していただけに、エースが不在の中でどのように攻撃を仕掛けるかに注目したい。一方、ドイツはミュラー、エジル、クロースの3人がほぼ同数であり個人に依存していないことが分かる。今大会での支配率は58.8%で、総パス数は3235本で最多。ハイプレスからのカウンターで得点を奪うチームが多い中で、ポゼッションサッカーを披露する彼らはどのようにゴールを挙げるのか。
[図1]シュート3プレー以内に関わった選手
[表2]ロッベンとメッシのスタッツ比較
・オランダ対アルゼンチン
7月10日に戦うのは前回大会のファイナリストであるオランダと86年大会以来の優勝を目指すアルゼンチンだ。オランダはロッベンとファンペルシーの2人が3ゴール、シュートは前者が18本で後者が15本と攻撃を牽引している。しかし、図1を見て欲しい。オランダで最も多いのはロッベンであるが、ファンペルシーは19とチーム内では3番目。チャンスメークでも貢献するロッベンに対して、ファンペルシーは最後の局面に特化しているということが分かる。対して、アルゼンチンはメッシ、ディマリアが他者を離して高い数値を残している。しかし、今大会でシュート数が2番目に多い26本であるディマリアは欠場が濃厚と、メッシへの依存が高くなることは否定できない。そこで、表2には両チームのエースのスタッツを載せた。ゴール数やシュート数はほぼ同数であるが、そのスタイルからパス数やドリブル数には差があり、平均走行距離では大差があることが分かる。ロッベンは高い位置でボールを受けたら仕掛けることが多く、メッシはボランチからのパスを受けることが多いことからも下がってさばくプレーもしていることが読み取れるだろう。両チームが相手の中心選手へどのような対応を見せるのかに注目したい。
2試合とも「南米対欧州」の激突となった準決勝。果たして、ファイナルへ進むのはどの国となるのか。
Legends Stadium 2014 - FIFAワールドカップ 公式動画
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2024-11-04 15:10
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