HOME » データでひも解くW杯 -ボールを奪ってからの10秒間-
6月13日に開幕したW杯はベスト8が出そろった。グループステージを1位で突破した国が全て勝ち上がるなど、今大会を通じて力を発揮しているチームが舞台に残っている。そこで今回は、準々決勝を前にここまでのデータを簡単に振り返りたい。
[図1]アタッキングサードとミドルサードにおけるボール奪取数
まず、図1にはグループステージを突破した16チームのA3rd(アタッキングサード)とM3rd(ミドルサード)でボール奪取をした回数を載せた。濃い青のグラフで表示された国が、ベスト8に勝ち上がったチームを示している。総じて突破したチームの方が高い位置でボールを奪えていたことが分かるだろう。また、図中にはないが、A3rdでタックルをした回数を90分換算した値で見ると、3.9回のアルゼンチンを筆頭に、ブラジル、ドイツ、オランダと続く。
また、図2にはボールを奪ってから10秒未満でシュートへつなげた数と割合を示した。シュートへつなげた数が多いのは、ブラジル、アルゼンチン、フランスと、図1の上位と同じ国が並んでいるのだ。つまり、高い位置からボールを奪いに行き、素早くチャンスにつなげることが大事になっているといえるだろう。例えば、アルゼンチン対スイス戦でディマリアが奪った決勝ゴールは、パラシオがハーフウェーラインでボールを奪い素早いカウンターを仕掛けることで生まれた。正に、これを体現した形といっても過言ではない。
[図2]ボールを奪ってから10秒未満でシュートへつなげた数と割合
一方で、今大会における平均支配率のトップはアルゼンチンの61.0%で次はドイツの60.5%、フランスは53.6%である。高い位置でボールを奪いチャンスを作るだけでなく、当たり前ではあるが勝ち上がるためにはマイボールを大切にしてボールポゼッションもできることが必要だといえるはずだ。
その中で、異質の輝きを放つのがコスタリカだ。ボールポゼッションは43.8%と低く、ボールを奪ってから10秒未満でシュートへつなげた数は10。それは、総数の71.4%にも及ぶ。カウンターが彼らの武器であり、ここまで勝ち残った理由の1つであることは間違いない。
「高い位置からのプレスでボールを奪い素早くシュートに結び付ける」。準々決勝ではそのような場面に注目して見るのも面白いかもしれない。
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