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コラムColumnsデータでひも解くW杯 -日本vsギリシャ 攻撃の狙いと効果-。

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データでひも解くW杯 -日本vsギリシャ 攻撃の狙いと効果-
2014-06-20 20:00 RSS

「68.1%」


数字が示す通り、日本は圧倒的にボールを保持していたが最後までゴールを割れず、グループステージの突破が厳しい状況に追い込まれた。そこで、データを使ってこの試合を振り返りたい。

初戦とは一変し、前半のパス数は307本で成功率が87.9%と、序盤からボールを回してテンポ良く攻撃を仕掛けていた日本。特に、ワントップの大迫がパスを受けた回数は12回とコートジボワール戦より多く、彼のポストプレーに加え本田や大久保が相手のアンカーである21番カツラニスの周囲にあるスペースを巧みに使うことで主導権を握っていた。

しかし、ギリシャに退場者が出たことで攻めあぐねる場面が散見し始める。相手が守備に重きを置いただけでなく、アンカーがいなくなりボランチと最終ラインの距離が近くなったことで、バイタルエリアにスペースがなくなったことが原因の1つといえるだろう。

その中で、指揮官は後半の開始と同時に遠藤を投入し打開を図る。彼が巧みにボールを散らすことで右サイドは活性化。右サイドからのクロスは前半が0本だったのに対して後半は11本と、内田のオーバーラップを何度も演出した。特に、彼のパスに大久保が合わせた場面や、彼自身がゴール前に飛び込んだシーンはビッグチャンスであったといえるだろう。

[図1]ペナルティエリア進入の内訳と成功率

しかし、その場面を除けば攻撃が単調になったことは否めない。図1にはペナルティエリア進入の内訳と成功率を示した。前半はクロス、ロングパスによるものとショートパスやドリブルによるものが同数であったのに対して、後半は前者が18回と総数の69%を占めていて成功率は27.8%。とりわけ、クロスは13回あったが、味方につながったのはわずかに2回で、相手が中央を固めていたこともありサイドからボールを入れても効果的でなかったことが読み取れる。

[図2]ギリシャ代表サマラスの前後半別データ

一方、ギリシャの狙いは明確であった。それはマイボールになったらサマラスへ預けて前へ運び、ファウルの誘発やCKを獲得すること。後半に最も多くパスを受け、最も多くファウルを受けたのが彼であったことや、後半のCKの数を見ると日本より多い5本であったことからも分かる。

[図3]後半のリスタートまでの平均時間

さらに、リスタートまでの平均時間を見ると日本と比べて非常に長く、セットプレーに時間を掛けてチャンスをものにしようとする姿勢を徹底していたことが図3からは読み取れるはずだ。実際にセットプレーからチャンスを作るなど、その狙いは効果的であったといえるだろう。

2戦続けて厳しい結果となったザックジャパン。その中で、3戦目の結果次第では決勝トーナメントへコマを進める可能性が残っていることは救いだろう。果たして、コロンビア戦の結末はいかに。


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