HOME » 出場機会を得ている注目の若手選手は?
2014シーズンのJ1が開幕して1ヵ月。ここまでの各チームの結果や試合内容とともに、選手個人のパフォーマンスも気になるところだ。今回は5節までのデータから注目すべき若手選手をピックアップした。
「若手」の絞り込み条件としては、
①1992年1月1日以降に生まれた者(Jリーグ・アンダー22選抜の登録対象となる者)
②2013シーズンの先発出場がない者
③2014シーズンの開幕戦で先発出場を果たした者
とした。
■野津田岳人(広島)
昨季は20試合に出場した実績を持つものの、全て交代出場で先発はなし。今季は同じポジションの高萩洋次郎がケガを負ったこともあり、開幕から先発の座をつかんだ。シュート数とスルーパス数がチーム内1位で、セットプレーを含むクロス数は両サイドのミキッチと山岸智に次ぐ3位。さらに、シュート関係数(※注)ではチーム内2位であるように、攻撃面で大きく貢献していることが分かる。高萩の先発復帰により4節と5節では途中からの出場となったが、5節ではシーズン初得点をマーク。広島の攻撃の中心となることが期待される。
※注 シュート関係数
「シュート=5点」「シュートの1つ前のプレー=4点」「シュートの2つ前のプレー=3点」というように、シュートとシュートに至るまでのプレーをポイント化し、合計したもの。
■二見宏志(仙台)
特別指定選手だった昨季の出場は21節の柏戦のみで、86分からの短時間だった。今季は左サイドバックとして開幕から4試合連続で先発フル出場(5節は出場なし)。開幕戦で見せたロングスローは強く印象に残るものだったが、彼の特長はそれだけではない。チーム内1位のタックル数が示すように、ボールを奪いに行く意識の高さがうかがえる。また、縦パス数や30mライン進入数もチームトップであることから、攻撃面でも存在感を発揮していることが分かる。今季の仙台は、左サイドからの攻撃にも注目してほしい。
■武藤嘉紀(F東京)
育成組織(FC東京U-15深川→FC東京U-18)出身で、慶應義塾大学2年次の2012シーズンから特別指定選手として登録されていた。正式に加入した今季は開幕から3トップの左サイドで3試合連続の先発出場を果たした。特長としては、ゴールへ向かうプレーが挙げられる。ドリブルやスルーパスでチャンスを作り、果敢にシュートを放ってゴールを狙う。シュートまでのパターンは多彩で、ドリブルからのシュート(3本)だけでなく、クロスに合わせる形(4本)も見せている。フォーメーション変更があった4節はサブだったが、5節では2トップの一角として2得点に絡み、マッシモフィッカデンティ監督の期待に応える活躍を披露した。今後のF東京の巻き返しには、彼の前を向いたプレーがポイントになるかもしれない。
■田鍋陵太(名古屋)
ルーキーイヤーの2012シーズンは3試合、昨季は4試合の途中出場にとどまった。3年目となる今季は背番号が27から14に変わり、西野新監督の下で右サイドバックとして開幕から3試合連続で先発フル出場(4節以降は欠場)。データが示す通り、積極的な攻撃参加が特長である。サイドバックながらも、ペナルティエリア進入受けはチーム内1位だ。右サイドから相手ゴール付近まで飛び込んでくる彼のプレーが、名古屋の新しいストロングポイントになりつつある。
■豊川雄太(鹿島)
加入1年目の昨季は出場ゼロだったものの、今季は開幕から先発出場。スタメンの平均年齢が大きく若返った鹿島の左サイドを任され、3節の鳥栖戦ではJリーグ初得点を挙げた。攻撃面のデータはダヴィと遠藤に次ぐ数値。思い切りの良いシュートやクロスに合わせようとする飛び込みなど、ゴール前でのプレーに特長がある。首位を走る鹿島がさらに勝ち点を伸ばすには、彼の継続した活躍が不可欠であろう。
今後も彼らのパフォーマンスに注目するとともに、新たな若手選手の台頭に期待したい。
※データはすべてセットプレーを含む値
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野津田 岳人(広島)
二見 宏志(仙台)
武藤 嘉紀(F東京)
田鍋 陵太(名古屋)
豊川 雄太(鹿島)
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