HOME » 得点直後は本当に「危険な時間帯」なのか?
よく
・前後半の開始直後
・得点/失点直後
・前後半の終了直前
は「危険な時間帯」と言われるが、果たして本当にそうなのだろうか?
特に、得点/失点直後については、
「失点したチームが攻撃的になるため(失点したチームの)得点が増える」
と考えられる一方で、
「失点したチーム前がかりになるため(失点したチームの)失点が増える」
とも考えられる。
そこで、2013年J1リーグ戦の全879ゴールを対象に、
「得点が生まれてから5分以内にどちらのチームが得点したか」
に焦点を当てて検証を行った。
なお、前後半をまたぐ場合は5分以内としてカウントしていない。
得点後5分以内の得失点状況
まずは、得点してから5分以内にさらに追加点を挙げたケース。
トップは鹿島の6得点で、得点後に一気に畳み掛けるしたたかさが感じられる。
続いて、得点してから5分以内に失点したケース。
トップは浦和の7失点で、もったいない失点が多い。
最後に得点してから5分以内の得失点差を見てみよう。
トップは広島の+5で、ゲーム運びの巧みさがうかがえる。
特筆すべきは、得点してから5分以内の失点が0ということである。
得点直後にしっかりと守備の意識を引き締め直せているからこそだろう。
さて、合計を見てみると、
得点したチームが5分以内に得点した数:51
得点したチームが5分以内に失点した数:59
ということで、失点したチームがばん回することのほうがやや多かった。
やはり、全体的に見れば得点直後は「危険な時間帯」と言えそうだ。
チームが得点してから10分以内に得点した選手のランキング
また、チームだけでなく選手についても同様の調査を行った。
こちらは5分以内ではサンプルが少ないため、10分以内で調査している。
まずは、チームが得点してから10分以内に得点した選手のランキング。
F東京の渡邉千真選手と広島の佐藤寿人選手が6得点でトップ。
ちなみに両選手とも、チームが失点してから10分以内の得点は2点のみである。
チームが失点してから10分以内に得点した選手のランキング
続いて、チームが失点してから10分以内に得点した選手のランキング。
こちらは鳥栖の豊田陽平選手が7得点で単独トップで、2位以下を大きく引き離している。
一方で、チームが得点してから10分以内の得点は2点となっている。
こうしてみると、得点のタイミングから見ても、タイプの違いが分かる。
さしずめ、佐藤選手と渡邉選手が「畳み掛け型」、豊田選手が「反撃型」といったところか。
こうした違いは、チーム戦術の影響が大きいのだろうか?
それとも、選手個人のメンタル的なものが影響しているのだろうか?
簡単に結論を出すことはできないが、気になるところだ。
とはいえ、どちらのタイプのほうが優れているというわけではない。
むしろ、試合を動かす力を持っているという意味では、どちらのタイプも素晴らしい。
ゴールの興奮冷めやらぬ時間帯に再び試合を動かすチーム・選手は誰なのか?
それを意識してJリーグを見るのも面白いかもしれない。
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2024-11-04 15:10
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