セットプレーを除いたプレーエリア
4選手ともに2013年はチームの軸としてプレー。MFではあるがゴール+アシストの数値は10以上を記録しており、攻撃において能力を発揮できる選手であることを証明している。
シュートをパターン別に分類すると横浜FMの2列目の選手たちはそれぞれ異なった特長を持っていることが分かる。中村はシュートの約半分がセットプレー。齋藤はドリブルからのシュート。兵藤は中村や齋藤に比べるとプレーに派手さはないが攻撃時のポジショニングが良く、こぼれ球からのシュートやクロスからのシュートが多い。セットプレーを除いたゴール数では中村より上だ。彼らに対し今オフに加入した藤本は、それぞれのパターンからバランスよくシュートを放っている。ただしシュート枠内率においては、横浜FMの3選手が35%以上を記録しているのに対し藤本は25%と少々低く、決定率も4選手中最も低い。ゴールが多かった清水時代や名古屋1年目では高い数値となっていただけに、シュートの精度は再び上げていきたいところだ。
ラストパス(シュートにつながったパス)を分類すると、こちらも中村はセットプレーの割合が多く、ちょうど6割となった。ゴールにつながった6アシストのうちの4つはセットプレーからのものだ。4選手中最もアシスト数が多い藤本も、8アシスト中3つはセットプレーから生まれたもの。日程面や負傷などで中村が欠場する状況となったとしても、藤本がいればセットプレーの心配は不要だろう。
2013年の横浜FMは選手をほぼ固定して戦っており、選手層の薄さが懸念点であった。ACLにも出場する新シーズンは戦力の底上げが最重要課題となる。中盤の攻撃陣については藤本が入ったことでレギュラー争いも激化していくだろう。過密日程となる序盤戦はさまざまな選手の組み合わせで戦うことが予想されるが、その中で藤本がどうポテンシャルを発揮し横浜FMの攻撃を変えていくのか注目だ。