今オフも多くの選手が新天地へ移籍をしたが、その中でも「禁断の移籍」として取り上げられたのが、大宮から浦和への移籍が決まった青木拓矢だ。13年シーズン前半戦の大宮の健闘を支えた青木は浦和でも持ち味を発揮できるのか?一部報道では最終ラインでの起用もささやかれているが、今回のコラムではボランチとして、同ポジションにあたる鈴木啓太とのデータを比較してみた。
プレーエリアに大きな違いはないが、青木の方が攻撃面で結果を残しているだけあってやや前寄りとなっている。青木は4ゴール3アシストを記録したが、このうちの3ゴール3アシストはチームが好調だった7/10の名古屋戦までに記録したもの。チームのパフォーマンスの低下とともにゴールに絡む機会も減った。
上記で挙げたリスクのあるプレーの選択という意味では、ボールを奪われてから相手にシュートを打たれた数でも明確に差が表れている。無理をしない鈴木は計7回と、ボランチとしては比較的少ない数値であるのに対し、青木は18回を記録。参考までにボールの配給役である阿部も17回となっており、鈴木よりも自陣での割合が多い。仮に青木、阿部というコンビになった場合、カウンターを受けるリスクが増える可能性がある。
守備プレーとこぼれ球、空中戦といったフィフティでのボール処理のスタッツを比較してみると、パス系の比較とは逆に青木の方が高くなっている。浦和より大宮の方が攻撃を受ける回数が多かったため、守備プレーそのものの数値が高くなるのは自然だが、こぼれ球や空中戦でボールを拾える点については、チームとしても強化できるポイントになるかもしれない。
青木の獲得が浦和の戦力、起用法にどのような影響を与えるのか。そして青木自身のプレーがどのように進化していくのか。新シーズンの浦和におけるチェックポイントの一つとして見守りたい。