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コラムColumns【天皇杯3回戦プレビュー】突き付けられる2つの「挑戦状」。

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【天皇杯3回戦プレビュー】突き付けられる2つの「挑戦状」
2013-10-10 19:00 RSS

ベスト16を懸けた3回戦は、13日、14日、16日の3日間に分けて開催される。「J1対J2」という天皇杯ならではの組み合わせが多くを占める中、注目はJFLに所属する2チームだ。前回大会では6チームもの都道府県代表がこのステージに進んだが、今大会はほぼ順当にJリーグ勢が勝ち上がってきた。その中に割って入る「くせ者」は、サプライズを起こせるのか。その2試合を含めた8試合にスポットを当てる。

■C大阪(J1)vs神戸(J2)
 13:00 キンチョウスタジアム
神戸は選手の質を見ればJ1と遜色なく、C大阪は山口螢と柿谷曜一朗を日本代表で欠くだけに、きっ抗した展開が予想される。注目点は、J1で最少失点のC大阪を、神戸がどのように攻略するか。中でも、J2でチームトップタイの14得点を挙げているポポは、セットプレーを除いても、ペナルティエリアの外から放ったシュートが最も多く、枠内率も高い。受けて立つのは、そのエリアから打たれた枠内シュートをきっちりとセーブしているキムジンヒョンだ。彼らの攻防が、「阪神ダービー」の勝敗に直結するだろう。

■松本(J2)vs鳥栖(J1) 13:00 松本平広域公園総合球技場
驚異的なスタミナを生かした「超・ハードワーク」が持ち味の両チームが対戦する。松本は長野県代表として出場した前々回大会で新潟を破り、4回戦に進出した経験を持つ。その試合で決勝ゴールをたたき込んだのは、ディフェンスラインの中心である多々良敦斗。鳥栖に在籍したことがある鐡戸裕史、飯尾和也の2人の存在も心強く、再び旋風を巻き起こす土壌はある。対する鳥栖は、長野県出身の高橋義希のプレーに注目したい。攻守のバランスを保ち、2回戦で最多の10得点を挙げた攻撃陣を下支えできるか。

■仙台(J1)vs水戸(J2) 13:00 ユアテックスタジアム仙台
J2時代に何度も相まみえた伝統のあるカードの歴史をひも解くと、ある「共通点」が見えてくる。99年の天皇杯2回戦で対戦した際に、当時JFLに所属していた水戸が金星を挙げた。その後の戦いでは仙台が圧倒していたものの、08年に水戸がアウェイでリーグ戦での初勝利を収める。その双方の記憶に残る試合に出場していたのが、現在も主将としてゴールマウスを守る本間幸司なのだ。クラブの象徴的な存在である彼は、思い出深いユアスタでチームを「三度目」の白星に導けるだろうか。

■AC長野パルセイロ(長野県代表)vs北九州(J2) 15:00 名古屋市瑞穂陸上競技場
北九州の柱谷幸一監督は、04年の途中から京都の監督に就任。当時、ヘッドコーチを務めていたAC長野パルセイロの美濃部直彦監督とともに、05年にJ2を制覇した。この関係は、翌年のJ1で途中から美濃部氏が率いるようになるまでの2年以上にも及ぶ。両者は今季から現在のクラブで指揮を執っているが、北九州は直近のリーグ戦10試合で6勝を挙げ、残留争いをほぼ脱出。AC長野パルセイロは5月以降の公式戦で負けなしと、地道なチーム作りが実を結びつつある。互いのベンチワークにも注目したい。

・Jリーグのクラブに所属した経歴のある選手(AC長野パルセイロ)
諏訪雄大(27歳):新潟
木下正貴(24歳):G大阪、熊本、甲府
松原優吉(25歳):富山
大島嵩弘(25歳):柏
平島崇(31歳):福岡、京都、C大阪、徳島
大橋良隆(30歳):仙台
畑田真輝(23歳):甲府
大道広幸(26歳):鹿島、岡山
岡田武瑠(19歳):C大阪(※期限付き移籍中)
宇野沢祐次(30歳):柏、福岡
藤井貴(27歳):磐田、愛媛
青木翔大(23歳):横浜FC(※期限付き移籍中)

【10月14日】
■鹿島(J1)vs京都(J2) 13:00 県立カシマサッカースタジアム
カテゴリーの違いは、天皇杯での対戦を振り返ると全く感じられない。03年の元日に行われた決勝戦では、京都が後半に逆転して初の栄冠に輝いた。さらに、前々回大会でも4回戦で顔を合わせ、再び京都が勝利。勢いそのままに決勝までコマを進めている。リーグ戦ではカシマで勝ったことがないものの、異なる大会で鹿島との相性が良いとなれば、不安要素にはならないだろう。鹿島には、昨季に主力として活躍した中村充孝が在籍しており、ピッチ上での再会を楽しみにしている選手も多いはず。果たして、出場機会はあるか。

■清水(J1)vsツエーゲン金沢(石川県代表) 15:00 IAIスタジアム日本平
条件付きながらJ2クラブライセンスの交付が決まったツエーゲン金沢。一時は公式戦において16試合連続で負けなしという記録を打ち立てたが、その最後となったのが天皇杯2回戦の横浜FC戦である。特に、前半はシュートを1本も打たせず、1-0というスコア以上に主導権を握った。相手の清水は、すでに同じカテゴリーの藤枝MYFCと対戦して特有の「戦いづらさ」を分かった状態だが、さらなる強敵にも引いて構えることなく「真っ向勝負」を挑むだろう。

・Jリーグのクラブに所属した経歴のある選手(ツエーゲン金沢)
阿部陽輔(23歳):横浜FM、仙台
諸江健太(28歳):名古屋
滝川敬祐(27歳):湘南
吉川拓也(25歳):富山(※期限付き移籍中)
井筒和之(27歳):長崎(※Jリーグ参入前)
山城純也(28歳):C大阪、鳥栖、長崎(※Jリーグ参入前)
越智亮介(23歳):愛媛
本田真吾(25歳):福岡、松本(※Jリーグ参入前)
菅原康太(28歳):徳島
齋藤将基(33歳):東京V
石舘靖樹(29歳):柏、栃木

■広島(J1)vs熊本(J2) 15:00 エディオンスタジアム広島
広島がJ2に属していた08年以来の対戦だ。その当時、熊本の指揮を執っていたのが、現在再びチームを率いている池谷友良監督。圧倒的な強さを見せていたタレント集団に対して常に接戦に持ち込み、現在のEスタで行われた試合では勝点を獲得するなど、広島にとって厄介な存在といえる。同じシステムを採用しているだけに、ミラーゲームとなれば昨季のリーグ王者に一日の長があるのは間違いない。熊本がどんな「秘策」を携えて挑むのかは見ものだ。

【10月16日】
■川崎F(J1)vs東京V(J2) 19:00 等々力陸上競技場
東京Vがホームタウンを移転するまで「川崎ダービー」と呼ばれていた一戦が、5年ぶりに行われる。08年のJ1では開幕節と最終節という節目でぶつかり合ったが、東京Vはその最終戦に敗れたことで、他会場の結果により降格が決まったという苦い過去がある。一方、引き分けだった開幕戦で先制点を挙げたのが、10年まで川崎Fに在籍していた東京Vの森勇介だ。右サイドの仕事人は、かつてのホームスタジアムで躍動する姿を見せられるか。

2013-10-10 19:00 RSS
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