HOME » コンフェデ杯まとめ③:守備と攻守の切り替え
「①シュートへの攻撃パターン」「②攻撃の精度」と続いたコンフェデレーションズ杯まとめシリーズ。今回は守備のデータと攻守の切り替えデータについて紹介。まずはボール奪取エリアを見てみよう。
ボール奪取位置を平均化すると、最も高い位置で奪っていたのはナイジェリアだ。ナイジェリアはタヒチ戦のボール奪取ラインが高く、3試合で大会を終えたため平均値も高くなった。ほか、スペイン、ブラジル、イタリアと続き、少し差が開いたところに日本、ウルグアイ、メキシコと続く。
ベスト4の国々と日本をエリア別に比較すると、敵陣での奪取数はブラジルが圧倒。この5カ国中では、日本は自陣の割合が最も多いという結果となった。
今大会のブラジルの特長の一つに、攻撃陣の守備意識の高さがある。トップ下でプレーしたオスカルの90分当たりのボール奪取数は5.3を記録し、2列目の選手としてはメキシコのグアルダードに次いで高い数となった。
では、ボールを奪ってからシュートで攻撃を終えた割合はどれくらいか?最も高かったのはやはりスペインだ。8チーム中唯一15%を超えている。続くのはナイジェリアとブラジル。シュートを放つ意識が高いチームが名を連ねた。
逆にボールを失い同攻撃内でシュートを打たれた割合を見ると、最も低かったのはブラジル。今大会のブラジルの献身的な姿勢がここでも表れた。
両データともに悪い傾向にあったのは、3位に入賞したイタリアだ。特にボールを失った後の被シュート比率は、タヒチに次ぐ2番目であり、5試合10失点となった要因の一つといえるだろう。攻守が切り替わった後のチーム全体の動きを改善する必要がある。
ドリブルの阻止(=相手のドリブルの失敗)のデータを見ると、対人戦に強いDFを擁するスペイン、ウルグアイ、ブラジルが高く、日本はナイジェリア、イタリアなどの第2グループ。開幕戦ではネイマールのドリブル6本のうち、4本を内田が阻止しており、惨敗の中で唯一の光明となった。
最後に空中戦のデータを紹介。全エリアと敵陣ペナルティエリア内、自陣ペナルティエリア内(以下PA内)の勝率を比較した。チャンピオンのブラジルはチアーゴシウバやルイスグスタボらが高い数値を残したが他の選手が低く、全体としても低い平均となった。
エリア毎で大きく数値が異なる日本は、やはり自陣PA内での競り合いの弱さが目立つ。自陣PA内の空中戦に負けた数は7回で、内田、今野、酒井宏、長谷部、遠藤、本田、前田が1回ずつ負けており、特定の選手が原因ではない。空中戦に強い選手を入れれば解決するだけの問題ではなく、チーム全体としてハイボールに対する守備について再構築する必要がある。
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