HOME » 王国ブラジルに屈した日本がイタリア戦ですべきこと
6月16日より始まったFIFAコンフェデレーションズカップ2013。日本はアジア王者として開催国ブラジルに挑んだが、0-3の完敗を喫した。昨年10月16日に行われた国際親善試合では0-4の結果だったが、今回も同様の流れでリズムをつかめなかった。
W杯アジア最終予選を終え、見事に2014年のブラジル大会への切符を手にした日本ではあるが、王国の前では2試合で1点も取れなかった。その差は様々な面で露呈されたと各方面で展開されているが、ここでは客観的データを基に、アジア最終予選とブラジルとの2戦を見比べてみようと試みた。第2戦となるイタリア戦への見どころにもなればと思う。
「今回も同様の流れで」としたのは、まずボールを失った位置にある。前回の欧州遠征のコラムでもご紹介したが、アジア最終予選では相手がリトリートして守ることが多く、日本は自陣で失うことが少ない。ところが強豪であるブラジルやフランスは違っていた。相手陣地であろうと複数人でボールを奪い返しに来る。日本はそれをかいくぐれなかったのである。それが今回の対戦でも同じだったということだ。
特にミドルサードでボールを受けることが多く、そこから前線へボールを運んでいく役割を担う中盤の4人に対しては、ブラジルは厳しくチェックしてきた。彼らのパス成功率やキープ成功率といった数値が極端に低く、アタッキングサードまでいけずに失ってまた守備に追われるといった展開が長く続いてしまった。
これにより悪循環が生まれた。生命線の一つである両サイドバックの上がりは減り、長友や内田が高い位置でプレーすることは少なく、そのプレーエリアはより後ろに追いやられた。すると中盤の4人や本田、岡崎といったところにボールが入ってもパスコースは後ろが多くなり、相手は前向きで守備がしやすくなる。そうなれば失うことを恐れてアバウトに蹴ることが増え、それがパス成功率低下につながり、奪い返そうにも簡単にサイドチェンジされキープされるといった具合だ。
実際に、相手がサイドチェンジした数は日本の約3倍を記録し、ブラジルは日本を揺さぶった。これはブラジルの一つの狙いでもあった。2列目に配置されたフッキ、ネイマール、オスカルはそれぞれ異なるタイプのドリブラー。彼らを生かすためには1対1の状況を多く作りたい。その有効手段は、サイドチェンジである。
日本はなるべくサイドを変えられずに、サイドに追い込んだのであればそこで取り切りたいはずだ。アジアを相手にした時、日本が自陣でサイドチェンジをされることは少なく、1試合平均で4回足らず。では、次に対戦するイタリアはどうか。
メキシコ戦で2-1と勝利を収めたイタリアは、この試合における敵陣でのサイドチェンジが19回。ブラジルよりも多い数である。元々守備に定評のあるイタリアだが、同試合でボールを奪った位置を見ると、ディフェンシブサードよりミドルサードの方が多かった。
つまり、日本にとって注意を払うべきは、ボールを失う位置と失った後の対応である。ミドルサードで失ってしまったとしても、そこで奪い返せるかどうか。すぐに逆サイドに展開されないように対処出来るかどうか。数的同数や数的不利の状態を作らせないことが出来るかどうか。ここに注目してみてはどうだろうか。
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