19日のWBA戦をもって今季の公式戦を全て終えたマンチェスター・ユナイテッド。昨夏にドルトムントから移籍加入した日本代表の香川真司は、イングリッシュ・プレミアリーグの1年目を20試合出場(スタメン17試合)、6ゴール3アシストという結果で終えた。この1年、「ユナイテッドの香川」はどのような成長と変化を見せたのか?

データで検証するに当たり期間を3つに分けた。上表①の期間(開幕から負傷するまでの間)では、ルーニーが早々に負傷してしまったこともありトップ下でプレー。プレミアリーグ、そしてユナイテッドというチームへの順応が試される期間でもあった。そんな中で10月に負傷し、2ヵ月以上の欠場。12月末に復帰するが、ここからしばらくは厳しい試合日程も重なり、コンディションのコントロールに苦戦。この冬の間を②とし、ハットトリック以降「らしさ」を取り戻してきた3月から閉幕までの期間を③としてデータを比較する。

基本的なスタッツを見ると、負傷明けの②の間はプレー数が落ち、ゴールへのトライも減少していたが、それ以外においては全体的に大きな差はなかった。その中で上昇しているのが、シュートへの関与数。これは味方のシュートから4プレー前以内に香川のプレーが含まれていた回数を示したものだが、終盤の③の数値は、開幕時の①の数値に比べ約1.5回増加。より多くのシュートシーンに絡むようになった。

もう一点右上表で気になったのはパス成功率の低下。ここをひも解くために、さらに細かく見てみると、縦パス数が開幕時に比べ大きく増加していた。序盤は慎重につなぐシーンが多く見られたが、終盤はリスクを負った縦パスを増やし、攻撃に転ずるプレーを見せた。結果的にパスの成功率そのものは下がってしまったが、この積極性は来季も継続し、その中で精度、連係を高めていきたいところだ。

香川の真骨頂といえば、高い位置での味方との速いパス交換。アタッキングサードにおけるワンタッチパスのデータを見ると、1試合当たりの総数は、①7.0、②3.8、③6.3と変化。その中でその成功率は序盤①に比べ終盤③は10%余り上昇した。

負傷の影響により時間は掛かってしまったが、終盤には「らしさ」を見せ始め、プレミアリーグ1年生としては及第点を得た。来季はモイーズ新体制となり、チーム全体としても例年以上に結果にこだわりたい1年となる。選手の入れ替わりも予想され、ポジション争いも待ち受けているだろう。ブラジルW杯も控える来季は、香川のキャリアにとっても勝負のシーズンとなるに違いない。