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コラムColumnsプレーデータ分析~13/5/6 神戸vsG大阪~ 神戸完勝の裏側を探る。

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プレーデータ分析~13/5/6 神戸vsG大阪~ 神戸完勝の裏側を探る
2013-05-09 15:00 RSS

J2で首位を走るヴィッセル神戸と無敗で追うガンバ大阪の直接対決が、ゴールデンウイークの最終日に実現。今回は約23,000人の観衆を集めたこの「関西ダービー」を、データの切り口から振り返る。

※小川とマジーニョはサイドを変える時間あり

交代は主なもののみ

G大阪を上回った神戸のボールへの執着

11節の岡山戦では3点差を追い付かれる失態を見せてしまった神戸だが、その後はこの試合も含めて2試合連続で完封に成功。前半は連係の乱れからG大阪に攻撃を許す場面もあったが、後半立ち上がりに先制してからは大崩れすることなく完勝した。前半、神戸は敵陣におけるこぼれ球の奪取数が0だったが、後半は相手を上回る9回を記録。小川、ポポ、田代、都倉といった攻撃的な選手たちがボールへの執着心を見せ、相手のカウンター攻撃の芽を摘み取る、もしくは味方の二次攻撃の起点として機能した。一方、G大阪は前後半ともに近い数値となり、試合を通じて内田がこぼれ球の処理を行った。

※こぼれ球奪取…クリアやブロックなど、明確に味方につなげる意志がないボールを拾ったプレー

選手ランキングは2回以上のみ掲載

両チームの特徴はボール奪取数でも表れた。各チームのベスト5を見ると、GKから最終ライン、ボランチまで名を連ねる神戸に対して、G大阪はセンターの選手が目立つ。神戸はエステバン、田中が、G大阪のパスコースを限定させる守備をしたことで、サイドの選手のボール奪取も増えた。ランキング外となったが、サイドハーフの小川も7回を記録しており、そのうちの1回は先制点につながっている。

テンポの悪いG大阪の攻撃

G大阪は先制された後、平井、二川といった交代カードを使いながらも反撃に転じることができず、オジェソクを投入しようやくシュートまでたどり着く機会を得たが、ゴールには結びつかなかった。前半の30分以降から後半15分までに多かったアタッキングサードでのワンタッチパスは、後半途中に減り、一人当たりのキープ時間(トラップしてから次のプレーまでの時間)が増加。人を探す、ボールの出し所を探す時間が増え、プレーが慎重になってしまい、攻撃にリズムを生み出せなくなった。

セットプレーを除く

神戸とG大阪のボランチを比較すると、似たようなプレーエリアの中で一際目立つのが、神戸の敵ゴール付近の3%のエリア。このエリアにおけるプレーはすべて田中のものであり、先制点のアシストとなったプレーもここに含まれる。このアシストを含め、田中はシュートにつながったパスを3本、シュートを2本放っており、守備のタスクをこなしながら攻撃にも積極的に関与した。G大阪の遠藤と内田は、プレー数そのものは神戸の二人よりも多いが、細かいパスが多く、流れの中でシュートに絡む回数はわずか。攻守の役割がはっきりしていた神戸に対し、G大阪は両ボランチとも同じような役割となってしまった。3列目の選手の攻撃参加は停滞した攻撃に変化を与える手段の一つとなるので、今後の試合で劣勢となった場合には、彼らの動きに注目したい。

G大阪のこの試合での収穫は、今季初出場となった右サイドバックのオジェソクかもしれない。少ない出場時間でありながら、反撃に転ずるために積極的に攻撃を仕掛けた。出場時間に約60分の開きがあるにも関わらず、ボール奪取数でも加地を超えており、今後は元日本代表のサイドバックをベンチに追いやる可能性もある。

独走態勢となった神戸は、G大阪戦の完勝を自信に今週末東京へ。長崎に抜かれ3位となったG大阪は福岡と戦う。次の両者の対決は7月20日。どのような成長を見せてくれるのか、今後もこの2チームから目が離せない。


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13/4/20 さいたまダービー
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13/3/30 横浜FMvsF東京
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12/12/9 マンチェスターダービー
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12年 日本代表欧州遠征
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