J2は7試合が消化し、神戸が6勝1敗で頭一つ抜け出している。無敗のチームは岡山とG大阪の2チームで1敗のチームは神戸、千葉、鳥取、東京Vの4チーム。一方、一度も勝てていないチームは岐阜で、まだ得点を取れていない厳しい状況だ。なお引き分けの試合が1チーム平均2.4(2012年は1.3)となっており、昨年以上に力が拮抗しているリーグとなっている。
前回同様、J2のゴール・アシストランキングからその動向をチェックしていきたい。
【J2得点ランキング】
得点ランキング1位はケンペス選手(千葉)が現在7得点でトップ。去年C大阪にいた時はシュートCBPが全選手で最下位だったが、J2に移籍して才能が開花。すでに昨年上げたゴール数を稼いでいる。特にシュート成功率が31.8%は驚異的で、千葉昇格の原動力となりそうだ。
続いて浦和から移籍したポポ選手(神戸)は4得点。シュートCBPがJ2選手中ナンバーワンで、遠めからの素晴らしいシュートを決めている。去年は3ゴールだったため、ケンペス選手同様得点を量産していきそうだ。
同じく4ゴールをマークしているのは千葉から移籍した荒田選手。去年は怪我や熾烈なレギュラー争いでなかなか試合に出れなかったが、今年はワントップの座を勝ち取り、シュートCBP3位、シュート成功率21.1%と決定力の高さが数字に表れている。思い切りのよいシュートがゴールに結びついており、もともと守備力に定評のあった岡山が上位に進出するキーマンとなりそうだ。
3得点を上げているのは3人。まずは水戸から山形へ移籍したロメロ・フランク。右サイドでの出場でありながら、積極的にアタッキングサードに入りこみ3試合連続ゴールをマーク。水戸時代はボランチでの出場が多かったが、ポジションチェンジで山形ナンバーワンの得点をあげ、才能が開花した。
続いて昨年Kリーグで18得点マークし、得点王候補として注目された千葉のジャイール選手。最初なかなかゴールが決まらなかったが、5節のG大阪戦でスピードを生かしたドリブル突破からゴールをマークしてから現在3試合連続ゴール中。今後も得点の量産が期待され、千葉昇格の鍵を握る選手となるだろう。
最後は今年JFLからJ2に昇格した長崎に移籍した佐藤選手。FWとトップ下のポジションを任され現在3ゴールをマーク。パスCBPもチームナンバーワンであり、得点力とチャンスメークの両面でチームに貢献、昇格チームでありながら現在9位と好調の要因となっている選手だ。
その他2得点を上げている選手の顔ぶれを見ると、J1から移籍してきた選手が前評判通りの活躍を見せており、今後得点王争いはJ1からの新加入選手を中心に繰り広げられそうだ。
【J2アシスト・CBPランキング】
続いてアシストランキング1位は3アシストで4選手が並んでいる。まず最初は神戸のマジーニョ選手。左サイドを任され、チーム内で攻撃、パス、ドリブルCBPがナンバーワン。チームのFKを任され、セットプレイから2アシストを上げている。続いてポポ選手(神戸)。パスCBP、ドリブルCBPとチームで2番目でチャンスメーク面でも活躍していることが数字に表れている。持ち前のキープ力から強烈なシュートと冷静なパスの2択を持っており、神戸のブラジル人2人がチームの中心になっていくことは間違いないだろう。
続いて、甲府から徳島へ移籍した高崎選手。徳島に移籍してワントップの位置を獲得。高崎選手が相手DFと競り合いながらうまくポストプレイを成功させたものがすべてアシストにつながっている。得点力も期待されているが現在はチャンスメークでチームに貢献している。
最後は韓国からJリーグに移籍しプロ選手となったナムスンウ選手(千葉)。歴代のユース代表に選出された韓国の若手で、前を向かせると怖い選手だ。非凡なボールタッチでスルーパスを繰り出し3アシストをマークしている。
また2アシストを挙げている選手の中で注目したいのは栃木のクリスティアーノ選手。ボールキープ力が高く、ドリブルセンスもあり、正確なクロスを上げられる選手で、現在栃木でパスCBP、クロスCBPがナンバーワン。強力なチャンスメーカーが加入した栃木が昇格争いに食い込むためには彼の活躍にかかってくるだろう。
以上、J2の新加入選手&移籍選手のゴール・アシストランキングを見てきたが、今年のJ2はケンペス、ジャイール、ポポ、マジーニョ、クリスティアーノとブラジル人の新外国人選手の活躍が目立つ。G大阪のレアンドロがまだ得点を挙げていないが、今期のJ2はブラジル人旋風が巻き起こりそうだ。冒頭でも触れたが、引き分け試合が多く実力が拮抗している今年のJ2は個の力が昇格争いを抜け出すポイントかもしれない。今後の彼らの活躍に注目していきたい。