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コラムColumnsプレーデータ分析~13/3/30 横浜FMvsF東京~。

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プレーデータ分析~13/3/30 横浜FMvsF東京~
2013-04-02 18:00 RSS

リーグ開幕3連勝を収め今季公式戦全勝と最高のスタートを切った横浜F・マリノスと、リーグ戦2勝1敗(今季公式戦3勝1分1敗)と好調なFC東京が、3月30日に日産スタジアムで激突。このコラムでは注目されたこの一戦をデータも交えて振り返る。


ゲーム展開のおさらい

時差列攻撃グラフ(交代表示は一部のみ)

序盤にゲームを支配したのはF東京。高橋秀人のミドルシュートなどでゴールを脅かす。そして前半27分、太田宏介の左サイドからのクロスに栗原勇蔵がクリアし切れず、李忠成が先制点を決める。その後、横浜FMに流れが傾き幾度かシュートを放つがゴールには至らず、再びペースはF東京へ。しかし、後半16分に中村俊輔のフリーキックが相手に当たりゴールに吸い込まれると、その7分後には天野貴史のクロスに藤田祥史が頭で合わせて逆転に成功。その直後、F東京は李に代えて米本拓司を投入。ペースを取り戻した後半37分、米本のプレスからボールを奪い、最後は渡邉千真が決めて試合は振り出しに。その後も攻撃を続けたF東京だったが、齋藤学を入れ、点を取りにいく姿勢を見せた横浜FMが、この日2点目となる藤田のゴールで勝利をつかんだ。

横浜FMのフォーメーション

横浜F・マリノスのこの試合でのポイント
[攻撃]

・25.中村俊輔がボールを持つと、周りの動き出しも早い
・20.佐藤優平は中に入ることが多いが、7. 兵藤慎剛はサイドに張ることもある
・サイドバックにボールを入れた時のサポートが少なく、ボールロストが多い
・19.藤田祥史に縦パスが入った時のフォローが遅く、ワンタッチではたけず時間がかかる
・得点が欲しい終盤は11. 齋藤学をサイドに入れ、25.中村俊輔を1列下げ、2トップに変更

[守備]

・5.ドゥトラ、2. 天野貴史に加えボランチも上がるため、セカンドボールを拾えないとサイドバックの裏を起点にされてカウンターを受けやすくなる
・縦パスに対する寄せは早いが、横パスに対するスライドが遅くなることがあり、相手のワンタッチパスの交換が入るとバランスが崩れやすくなる
・数的優位でもボールを奪いにいくよりディレイさせる傾向がある
・セットプレーはマンツーマン。17.端戸仁と7. 兵藤慎剛は前線に残す

F東京のフォーメーション

FC東京のこの試合でのポイント
[攻撃]

・ビルドアップ時は4.高橋秀人か8. 長谷川アーリアジャスールが下がり、2人のセンターバックと彼らのうちどちらかの3枚で組み立てることが多い
・ワンタッチ、ツータッチでボールを動かせるように10mくらいの選手間を保とうとする
・9.渡邉千真、11.李忠成は、1人が下がって受けに下がり、もう1人が裏を狙う
・49.ルーカス、38.東慶悟が中に入ることは少なく、FWと絡んでサイドで数的優位を作ろうとする
・7.米本拓司を投入後は8.長谷川アーリアジャスールを右サイドに置き、3.森重真人、4.高橋秀人、5.加賀健一が縦パスを狙い、彼らのキープ力を前線で生かす

[守備]

・アプローチを強める開始位置は60mくらいから。相手のセンターバックにはアプローチを強めず、ボランチもしくはサイドバックに対して強める
・セットプレーはマンツーマン。11. 李忠成は前線に残す
・相手の20. 佐藤優平と7. 兵藤慎剛が逆サイドから入ってきた場合、両サイドハーフはポジションを崩さず、最終ラインの味方に受け渡す(奪い取ればカウンターのチャンスができる)
・4.高橋秀人が相手のボランチにアプローチにいくと後ろの選手との距離が遠くなり、カバーが遅れてスペースを空けてしまう
・ボールに対して厳しくアプローチすることがストロングポイント(マイボールにできる)であり、ウイークポイント(外されるとマークにズレが生じる)でもある

攻撃エリア

シュートに至った攻撃のプレーエリアを比較すると、際立つのはやはりF東京の左サイド。この日リーグ戦初先発となった横浜FMの天野や佐藤の陣地を、ルーカス、渡邉、太田らで攻めた。

その天野はボールを持った時にも上記3人の相手に標的にされ、試合トータルで4回のボールロストを記録。逆サイドのドゥトラはその4倍にあたる16回あったが、ドリブルやクロス、ロングレンジのパスが多く、ボールロストとなったパスの平均距離は29.7m。一方、天野の同距離は15.4mと、イージーなパスミスがあった。また、ドゥトラは守備プレーを除いてボールを外に出したプレーはないが、天野はパスとトラップミスで3回ボールアウトを記録している。

しかし天野は後半、横浜FMの同点弾をアシストし、逆転弾の際も自身のオーバーラップにより攻撃に絡んでいる。天野のパス交換を見ると、前半は攻撃的な選手と絡むことが少なかったが、端戸が入った後半は彼とのコンビネーションが増え、トップの藤田にも3回ボールを送っている。試合内の修正により、結果的には勝利に貢献することができた。

F東京からは高橋秀人に着目。日本代表にも選出されている高橋は、この試合内で30m以上のロングパスを7本中6本味方につなげており、この成功数は両チームでトップ。高橋の全パスの送り先を見ると、CBの加賀(10本)に続き、2位にはCFの渡邉(9本)が入った。渡邉のパス受けは、高橋からのボールがトップとなっており、東がサイドでの起用となったこの試合では、高橋から渡邉へのラインがF東京のパターンの一つとなっていた。

これまで高橋とともにボランチでコンビを組んでいた米本は、この試合では途中出場となったが、わずか21分の出場で5回のタックルを記録。この数字は、試合開始時から出場しているメンバーも含めて両チーム内でトップの数値となっている。

センターフォワード比較

今季、目覚ましい活躍を見せる渡邉千真はこの試合でも1ゴール。また、マルキーニョスの出場停止によりスタメンの機会を得た藤田祥史は、同点弾、勝ち越し弾を決めヒーローとなった。

ゴールという面では2人ともストライカーとしての結果を残したが、ポストプレーなど起点になれたかどうかを検証する。縦パスを受けた後の処理を比較してみると、保持率では大差はなかったものの、パス成功率に約8%の差があった。藤田のボールキープそのものには大きな問題はないが、周りとの連係面には課題がありそうだ。ちなみに、出場停止となったマルキーニョスの同データにおける保持率も50%未満となっており、この課題は彼ら個人の問題だけではなく、横浜FMの攻撃面全体の課題といえる。

勝ち続けながらも課題を抱えている横浜F・マリノスと、ポジティブな面も多く見られる中で2勝2敗となったFC東京。これから5月に向けての過密日程をどうこなしていくのか注目だ。

関連ページ

横浜F・マリノスvsFC東京のマッチレポート
http://www.football-lab.jp/y-fm/report/
http://www.football-lab.jp/f-tk/report/

順位表・各種チームランキング
http://www.football-lab.jp/summary/team_ranking/j1/?year=2013

横浜FMのシーズンサマリー
http://www.football-lab.jp/y-fm/

天野貴史の選手データ
http://www.football-lab.jp/player/400656/

藤田祥史の選手データ
http://www.football-lab.jp/player/600113/

FC東京のシーズンサマリー
http://www.football-lab.jp/f-tk/

高橋秀人の選手データ
http://www.football-lab.jp/player/801078/

渡邉千真の選手データ
http://www.football-lab.jp/player/402027/

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