リーグ開幕3連勝を収め今季公式戦全勝と最高のスタートを切った横浜F・マリノスと、リーグ戦2勝1敗(今季公式戦3勝1分1敗)と好調なFC東京が、3月30日に日産スタジアムで激突。このコラムでは注目されたこの一戦をデータも交えて振り返る。
ゲーム展開のおさらい
時差列攻撃グラフ(交代表示は一部のみ)
序盤にゲームを支配したのはF東京。高橋秀人のミドルシュートなどでゴールを脅かす。そして前半27分、太田宏介の左サイドからのクロスに栗原勇蔵がクリアし切れず、李忠成が先制点を決める。その後、横浜FMに流れが傾き幾度かシュートを放つがゴールには至らず、再びペースはF東京へ。しかし、後半16分に中村俊輔のフリーキックが相手に当たりゴールに吸い込まれると、その7分後には天野貴史のクロスに藤田祥史が頭で合わせて逆転に成功。その直後、F東京は李に代えて米本拓司を投入。ペースを取り戻した後半37分、米本のプレスからボールを奪い、最後は渡邉千真が決めて試合は振り出しに。その後も攻撃を続けたF東京だったが、齋藤学を入れ、点を取りにいく姿勢を見せた横浜FMが、この日2点目となる藤田のゴールで勝利をつかんだ。
横浜FMのフォーメーション
横浜F・マリノスのこの試合でのポイント
[攻撃]
[守備]
F東京のフォーメーション
FC東京のこの試合でのポイント
[攻撃]
[守備]
攻撃エリア
シュートに至った攻撃のプレーエリアを比較すると、際立つのはやはりF東京の左サイド。この日リーグ戦初先発となった横浜FMの天野や佐藤の陣地を、ルーカス、渡邉、太田らで攻めた。
F東京からは高橋秀人に着目。日本代表にも選出されている高橋は、この試合内で30m以上のロングパスを7本中6本味方につなげており、この成功数は両チームでトップ。高橋の全パスの送り先を見ると、CBの加賀(10本)に続き、2位にはCFの渡邉(9本)が入った。渡邉のパス受けは、高橋からのボールがトップとなっており、東がサイドでの起用となったこの試合では、高橋から渡邉へのラインがF東京のパターンの一つとなっていた。