HOME » 【J1昇格プレーオフプレビュー】 京都VS大分、横浜FCVS千葉 勝つのはどっちだ?
J2最終節は甲府が京都とドローで、甲府がJ2無敗記録を24に伸ばし、京都は最後の最後で3位に転落。湘南は町田を3-0で破り、念願の自動昇格を手にした。この結果、今年導入されたJ1昇格プレーオフに進出したのは3位京都、4位横浜FC、5位千葉、6位大分となり、11/17に京都-大分(西京極)、横浜FC-千葉(ニッパ球)で行われる。
本コラムでは、準決勝で対決する4チームにおける過去の直接対決、今シーズンの特徴をデータで振り返りながら、2試合の展望を考察していきたい。
【京都と大分の対戦成績、両チームの今シーズンの得点パターン】
【3位京都VS6位大分】過去互角の争いだが、今年は大分が2勝。
まず西京極で行われる京都VS大分。上の図は両チームの過去の対戦成績だが、大分が8勝、京都が5勝となっている。このプレーオフは引き分けの場合3位のチームが勝ちぬくため、引き分けの3つを京都に足すとほぼ互角の対戦成績となる。
しかし、今シーズンの対戦成績は大分が2勝している。4/27の試合は2-1で大分が勝利。大分がセットプレイがらみで高松と三平が前半に2得点、京都は持ち前のパスサッカーから一点返したが万事休す。この試合、シュート数は京都が20本に対して、大分は7本。全体では京都が試合を支配したものの決定機をものにできず、大分は最初のシュート2本が2得点となり、決定力の差が出た試合だった。 続いて9/14の試合も大分が2-0で勝利。この試合もシュート数は京都21本に大分13本、京都のポゼッションタイムは37分と前回同様試合自体は支配したが、大分の強引なクロスから為田が先制ゴールをあげると持ち前の守備力を発揮し、京都に決定的なシーンを作らせず、後半カウンターで追加点と理想的な展開となった。
また、両チームの得点パターンのスコアを見ると京都はパスからの得点が多く、大分はセットプレイ、クロス、その他(確認する限りセットプレイ・クロスの跳ね返し)が多く、はっきりと得点パターンが分かれている。
上の表は、今シーズンの京都と大分における直接対決時(10節、33節)&今期全体における攻撃回数、シュート、ゴール、シュート構築率(シュート/攻撃回数)、シュート成功率(ゴール/シュート)、また各CBPを表にしたものだ。なお、10節、33節、今期平均で高かった方が赤字となっている。
まず今期平均のスコアを比較してみると京都はパス・ドリブル主体としたサッカーによって攻撃回数を増やし、シュート数、ゴール数で他チームを圧倒してきたことが分かる。一方大分はパスCBPがJ2で最下位だが、シュート構築率、シュート成功率は大分の方が高く、少ないチャンスをゴールにつなげているチームだといえよう。また今期の直接対決のスコアを見るといかに大分が守備をしっかり頑張り、カウンターで効率的に得点を取っているかが分かる。
データからみる限り、明日の試合は京都のパスサッカーを展開することで決定的なシュートを放ち、ゴールすることができるか。あるいは大分が今シーズン積み上げた守備で耐え、虎視眈々とカウンターサッカーを狙い、シーズン中のように先制点を取ることができるかがカギとなるだろう。
【京都のキーマン】中村充考、中山博貴の飛び出し、宮吉の決定力
京都のポイントはいかに点を取れるかになってくるので、シュートCBPの高い中村、中山は明日の試合のキーマンとなってくるだろう。いかに2列目から飛び出して決定的なシーンを演出できるか。大分がしっかり守備を固める前に縦に早い展開をつくれるかがポイントだ。また宮吉は最近先発から外れているが、スーパーサブ的存在として途中出場し、決定的なシーンで得点することができるかが注目される。
【大分のキーマン】好調森島の爆発力、木島のスピード、サイド三平の突破力
大分のポイントはいかにカウンターを効率よく仕掛けられるか。攻撃時に2トップの森島・木島がいい形でボールをもらいゴールに最短距離で進めるかがポイントとなってくるはずだ。特に森島は千葉戦で決勝ゴールを挙げてから5試合4ゴールと好調で、スピードのある木島も山形戦でゴールを挙げている。また素早くサイドを突破し2トップの二人に精度の高いクロスを供給するためにもサイドの三平にも注目だ。
【4位横浜FC VS 5位千葉】過去は千葉、今年も千葉が2勝。
続いてニッパ球で行われる4位横浜FCと5位千葉の試合。過去の対戦成績は千葉が5勝、横浜FCが1勝で過去の対戦成績から行くと千葉が有利と言える。千葉はJ2降格後アウェイを苦手としており、去年まではアウェイで横浜FCに勝つことができていなかったが、木山監督になってから7月にしっかり勝っており、アウェイ苦手という意識はチームにはなさそうだ。
今シーズンの対決は千葉が2勝。3/17の試合は3-0で千葉が快勝。左サイドの深井・藤田・兵働のトライアングルで相手を崩し、ペナルティエリア内で深井が2ゴール、兵働が1ゴール。千葉はこの試合でシュート22本で横浜FCを圧倒した。なお、この試合で岸野監督が解任され、横浜FCは1からのスタートとなった。 その後山口体制になってからの対決となったのは7/15の試合。この試合も兵働の鋭いシュートによって1-0で千葉が勝利。この試合も千葉はボールを試合しサイドからの攻撃でチャンスを作っていたが、横浜FCもカイオの起点にボールを運び、高地や武岡のシュートで千葉ゴールを脅かすなど好ゲームとなった。
両チームの得点パターンを見ると千葉はクロスからの得点が34.4%を占めるが、横浜FCも全体の22.6%で比較的多く、サイドでの攻防が両チームの見どころといえよう。また横浜FCは最近セットプレイでの得点が多い。また数字でみることはできないが両チームとも前線から献身的にディフェンスをしていくチームなので、お互い高い位置でボールを奪えるかも注目のポイントだ。
横浜と千葉の今シーズンにおける直接対決時(10節、33節)&今期全体における攻撃回数、シュート、ゴール、シュート構築率(シュート/攻撃回数)、シュート成功率(ゴール/シュート)、また各CBPを見るとほとんどのスコアで千葉が上回っている。特にクロスはJ2でナンバーワンとなっており、得意のサイド攻撃で横浜FCを脅かすことができるかどうかがポイントだ。
一方横浜FCのストロングポイントというと決定力。シュート成功率が全チームナンバーワンだ。千葉はリーグ最少失点だが、横浜FCは千葉の堅い守備をかいくぐりながら、シュートを打つ回数をいかに増やせるかがポイントとなってくるだろう。
【横浜FCのキーマン】武岡&野崎サイド攻撃、阿部の守備、カイオの決定力
横浜FCもサイド攻撃が攻撃時のストロングポイントなのでいかに武岡&野崎にボールを供給して千葉のサイドを崩すことができるかがポイントだ。武岡はドリブルもあり、シュートもうまいので彼がボールを持つ回数を増やすことがポイント。
また野崎がサイドをえぐってカイオに供給する回数は多く、個のホットラインも注目だ。カイオはシュートがうまいので、千葉はカイオにフリーでシュートを打たせる回数をどれだけ減らせるかも注目となってくる。
【千葉のキーマン】谷澤・米倉・藤田・兵働の4人を主体としたサイド攻撃
千葉のポイントはポゼッションを上げながら、サイド攻撃から藤田にどれだけクロスをあげられるかがポイントだ。藤田が怪我で復帰し、米倉が好調になったことで4前線4人のボールキープ力が上がり、サイドを主体としながら中央でも攻撃をすることができている。千葉のリズムで攻撃する時間をどれだけ増やせるかが勝利への鍵だ。
横浜FCもサイド攻撃を主体としているため、両チームが攻撃と守備のバランスを保ちつつ、特に阿部サイドの裏を米倉がとって決定的なクロスを作れることができるかどうかがポイントとなってくるだろう。
京都、大分、横浜FC、千葉と4チームのストロングポイントを見てきたが、どのチームも違った特徴を持っており、明日の試合はそのストロングポイントをしっかり出し切れたチームが次のステージに進めるだろう。明日の試合を制し、11/23の国立の舞台を踏むことができるのはどのチームか。絶対に負けられない戦いとなるので、4チームの素晴らしいプレイを期待したい。
text by 木下陽介
2024-11-06 14:25
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