明日、国立にて行われるナビスコカップの決勝
今季決勝に進出したのは清水エスパルスと鹿島アントラーズ。
両者とも過去のナビスコカップでも好成績を残していることは、なんとなくイメージがあるのではないだろうか。
そこで、92年からのナビスコカップにおいて、成績の上位チームを以下にまとめてみた。
なんと、今回対戦するこの2チームは
最も勝利数が多いチームと最も勝率が高いチームの対戦となっていた。
イメージ通りの結果ではないだろうか。
ただ、両者がナビスコカップ決勝の舞台で対戦するのは初めてで、
最も決勝に近いラウンドでの対戦だったのは2002年の準決勝。
延長戦の末、最後は長谷川祥之のゴールで鹿島が2-1で勝利を収め、
その後の決勝では小笠原のゴールで浦和レッズを破って3度目の優勝を果たしている。
<地元出身選手の多い清水>
両チームの今季のナビスコカップでの出場選手の一覧が以下の表である。
※出場時間はアディショナルタイムも含む
この表から明らかに分かるのが、清水の静岡出身選手の多さと彼らの出場時間が長い点。
出場時間での割合は全体の5割を超えている。
一方の鹿島はブラジル出身選手の出場時間が長く、これは鹿島の伝統と言えるのかもしれない。
また、出場選手数は清水が29人、鹿島が25人と清水の方が多くの選手を試している。
<若手の起用+結果>
「ヤングエスパルス」と呼ばれるなど、若い選手の台頭が著しいゴトビ監督率いる清水。
数字で見るとどうだろうか。
ナビスコカップに出場した選手を出生年別で分けてみた。
清水は高校サッカーの決勝で戦った河井と大前ら89年組を中心に、若い選手の出場時間が長いことが分かるだろう。
表の一番下、最も若い94年生まれで572分出場しているのは、マンチェスターCから練習参加の要請を受けている石毛である。
参考までに4年間隔の五輪世代別で区切った比較をしてみると
清水はロンドン五輪世代の時間がチームの合計出場時間の約5割、一つ前の北京世代まで含めると9割を占めていた。
逆に鹿島はシドニー世代の出場時間が長く、ひと際目立つのが79年組。鹿島の黄金世代である小笠原らの世代だ。
若手に目を向けると、柴崎に代表される92年組は79年組の次に長く出場しており、92年以降という区切りでは清水より多く出場している。
決勝のメンバーは清水の方が若いだろうが
若手を多く出場させながら予選から勝ち抜いてきたという点は両者の共通点と言える。
最後に試合の勝敗にまつわるデータを。
下の表は過去のナビスコカップの延長戦とPK戦での勝敗を比較したものである。
鹿島は延長戦に入る試合が多く、かつその試合をモノにしている。
清水は延長戦自体が少ないものの、4戦して1勝しかしていない。
ただし、PK戦は1勝差ではあるが鹿島の成績を上回る。
ベテランの経験か、若手の勢いや運動量か。
結果は如何に。
text by 滝川 有伸