HOME » プレーデータ分析~日本代表欧州遠征~
■各試合のスターティングメンバー
(先発選手の平均プレー位置とプレー数)
日本vsフランス
日本vsブラジル
■プレーイングタイム
W杯予選ではプレーイングタイム約52分のうち6割の時間でマイボールにできるが(=守備時間が約20分)、フランスやブラジルとの対戦ではプレーイングタイムがそれより10分も多くなり、守備の時間が約15分も多くなっていた。
■各エリアへのパス
(A3rd…アタッキングサード、M3rd…ミドルサード、D3rd…ディフェンシブサード)
守備の時間が長くなってしまった要因の一つが、パスの質である。W杯予選時とフランス戦を比較すると、自陣でのパス成功率に大きな差はないが、日本はアタッキングサードへ向けたパスの成功率がW杯予選の平均値と比べて約13%も落ち込んでいた。ブラジル戦ではそこの改善を目指し数値は約75%と高くなったが、フランスやブラジルの成功率が日本を上回る高い数値を示す通り、奪われた後、奪い返せなかったことが分かる。特に7割を超える成功率で日本のディフェンシブサードにボールを運ばれてしまっていた。
■選手の違いとコンディションの不安
トップ下比較
先発メンバーがW杯予選と異なり、長谷部は所属チームで出場機会がない中で不安視されたのは、彼らの質である。フランス戦でトップ下を務めた中村はパスの成功率こそ本田を上回るが、その内訳を見れば、バックパス数が全体の4分の1を占め、縦パスは本田より約10%も下回る。アタッキングサードで受けた回数は3回にとどまり、起点になったとは言い難い。ブラジル戦ではより前の意識を高めようと改善したのか、縦パスの割合が倍増。アタッキングサードで受けた回数も倍になっていた。
長谷部比較
長谷部は自陣でボールを受けた割合が全体の約7割となり(W杯予選時は45.8%)、縦パスを出す割合が約12~15%も減るなどW杯予選の時とは異なるパフォーマンスだった。ブラジル戦ではバックパスの割合こそ減ったものの、縦パスを入れるケースは少なく、2試合連続で途中交代することとなった。
■ボールを失ったエリア
ブラジル戦での失点シーンに象徴されるように、ポゼッションしている時に最も気をつけなければいけないのは失う位置である。ピッチを9等分した際の中央(つまりセンターサークルあたり)エリアで失うことはカウンターに直結するケースが多い。W杯予選時は相手がリトリートすることもあり、センターラインを超えるあたりでプレスを掛けてくるためここで失うことは少ない(12.4%)。しかし、フランスやブラジルは違った。前線から連動してセンターラインを超える前からプレスを掛けてきたため、日本は奪われてはいけない中央エリアで奪われることが多かった(20%と17.6%は9等分の中の上位2位)。
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2024-11-04 15:10
2024-03-27 09:55
2023-12-05 12:45