ロンドン五輪予選リーグ第2試合モロッコ戦。敵の高い身体能力・個人技に苦戦しながらも、永井謙佑の決勝点により1-0でモロッコを破り、1試合を残して決勝トーナメント進出を決めた。
この2試合を通して、チーム全員での組織的で固い守備からのカウンター攻撃が見事に機能している日本U-23代表。選手全員がベストを尽くしてもぎ取った勝利だが、その中でも今回のモロッコ戦でのキープレーヤーは誰だったのだろうか?Football Labでは以下3人の選手に注目した。
● 対人プレーの強さを見せた「鈴木大輔 #13」
Football Labオリジナルの評価指標で見ても、守備ポイントがチームで一番高かった鈴木。特に身体能力の高いモロッコに対しても圧倒的な空中戦での強さを見せ、この試合8回の空中戦で7回競り勝っている(モロッコDFの空中戦勝率は30%程度)。吉田麻也とのCBコンビに安定感が出てきたことは、今後に向けての非常に大きな収穫ではないだろうか。
● 攻撃のスイッチを入れる縦パス
「扇原貴宏 #3」
攻撃の中でもパスのポイントに注目するとチーム1位の扇原。彼の強みは縦パスの供給であり、この試合でも攻撃にスイッチになっていたように思う。実際、前方へのパス数はチーム内でも圧倒的に多く、アタッキングサードへのパス数もボランチというポジションながらチームで2位である。ただ、成功率がやや低い(78.1%)のは決勝トーナメントでの課題になってくるのではないだろうか
● 攻撃の中心 「清武弘嗣 #17」
惜しくもGKにはじかれたシュートや、永井へのアシストなど、効果的な攻撃を組み立てた清武。スペイン戦に引き続き、チームトップの攻撃ポイントを記録している。中でも他選手との違いはドリブルにあり、今後、敵が引いた狭いスペースを打開する局面では、彼のドリブルが非常にポイントになってくるだろう。
下馬評を覆し、2試合で決勝トーナメント進出を決めた日本U-23代表。
この調子で、決勝トーナメントもどんどん勝ち上がっていって、44年ぶりのメダルを目指してほしい。
text by 木野本 朋哉