7月も中旬になりJ1も後半戦に入った。第17節消化時点で、昨季の王者の柏レイソルが7位に留まり、「鹿島アントラーズ」「ガンバ大阪」といった毎シーズン上位争いをするチームが低迷するなど、想像もしなかった順位になっているのではないだろうか。
とはいえ、まだ前半戦が終わったばかり。後半戦での熾烈な上位争い、プライドを懸けた降格争い、ここから1試合1試合の緊張感がより高まってくることだろう。
さて、今回のコラムでは、CBPをベースにFootball Labが選んだ『J1前半戦 ベストイレブン』を紹介する。なお、選出に当たっては、17節時点で3分の2以上の出場時間、すなわち1,020分以上出場している選手を対象とした。
それでは、各選手の選出理由について。
<GK部門>
・ 林 彰洋 (清水)
U-23五輪代表のメンバーにOA枠で選ばれた林であるが、守備CBPのスコアが1位であることから選出。
清水エスパルスはボールゲインにおけるGKへの依存度が高い(すなわちGKで敵の攻撃を止める傾向が強い)が、それでも第17節時点でのリーグ最少失点であるのは、彼の活躍あってのことだろう。
<CB部門>
・ 森重 真人(FC東京)
・ 田中マルクス闘莉王(名古屋)
DFの中で、守備CBPが最も高い選手として森重(東京)を、また、DFの中で唯一、守備CBPと攻撃CBPがTOP10内にランクインしている点で田中マルクス闘莉王を選出。
全体的にあまり守備機会が多くないFC東京にあって、森重はJ1最高の守備CBPであり、その貢献度の高さは圧倒的だ。一方、闘莉王だが、最近は代表から遠ざかっているものの、その存在感は攻守両面でJリーグの中でもトップクラスであることが分かる。
< SB部門>
・ 藤春 廣輝 (ガンバ大阪)
・ 酒本 憲幸 (セレッソ大阪)
左サイドバック、右サイドバックの各ポジションで、最も攻撃CBPが高い藤春(G大阪)、酒本(C大阪)を選出。
特に酒本(C大阪)は、クロスの質が高く、32.9%はミキッチ(広島)に次ぐ2位(クロス60本以上の選手の中で)である。一方、藤春(G大阪)は、クロスの本数が94本と、こちらもミキッチ(広島)に次ぐ2位で、積極的な攻撃参加がデータに表れていると言える。
<MF部門>
・ 高橋 秀人 (FC東京)
・ 梅崎 司 (浦和)
・ 中村 憲剛 (川崎)
・ 遠藤 保仁 (G大阪)
・ ミキッチ (広島)
まず、MFの中で守備CBPが高い選手として、高橋(FC東京)と梅崎(浦和)を選出した。高橋はそのカバーリング、奪取力の高さがデータで現れているのではないだろうか。また梅崎はサイドハーフながら守備CBPがMFの中でリーグ2位となっており、加えて攻撃面でも8位と攻守両面での貢献度の高さが伺える。
次に、攻撃CBPが高い上位3名を選出。中村憲(川崎)、遠藤(G大阪)、ミキッチ(広島)の3名はリーグの中でもずば抜けたスコアを記録。特に、中村憲(川崎)と遠藤(G大阪)の2名はパスにおいてミキッチ(広島)はドリブル・クロスにおいて、圧倒的な存在感を出していると言える。
<FW部門>
・ 永井 謙佑(名古屋)
最後にFW部門であるが、こちらはシュートCBPが最も高い永井を選出した。
17節終了時点で佐藤(広島)に次ぐ8ゴールであり、シュート決定率が22.2%と非常に高い。俊足を活かした裏への飛び出しからのゴールが多く、今月から始まる五輪代表のエースとしても活躍が期待したいところだ。
以上、データをベースにFootballLab編集チームで、ベストイレブンを選出した。
意外な発見があったのではないだろうか?是非、今回のベストイレブンに注目しながら18節以降のリーグ戦を観戦してもらえればと思う。
Text by 木野本 朋哉