HOME » 日本代表オマーン戦 影のMOMは長谷部!?
ブラジルW杯アジア最終予選の初戦、過去2大会で苦戦した日本代表ではあったが、ホームでオマーンを圧倒し3-0で勝利を飾った。
オマーン代表ルグエン監督が「日本は本当に素晴らしいチームで、われわれは存在しないに等しい状態だった」と完敗を認めたように、明らかに日本代表が終始高いポゼッションで試合を支配している試合展開であったかと思う。
<表1> 日本・オマーン試合スタッツ&CBP
というわけで、今回は、データにより、試合の内容を簡単に振り返りながら、誰がキーマンだったのか?について考察してみようと思う。
まずは両チームのスタッツから。(「表1」)
日本のシュート数18に対して、オマーンは0。日本のパス数658に対してオマーンは401。ここだけ見てもいかに一方的な展開だったかは一目瞭然である。
またCBPを見ても、オマーンの攻撃CBPが7.89に対し、日本の攻撃CBPは22.34と約3倍のスコアになっている。
では、ここからは、日本の選手の中で誰がどのように機能していたのかを見てみよう。
まずは攻撃CBPから見て頂きたい。(「表2」)
この試合のMOMに選ばれた本田は、貴重な先制点を奪っただけでなく、攻撃CBPでもチームトップのスコアとなっており、データでもその活躍が裏付けられたカタチだ。続いて遠藤、そしてマンチェスターユナイテッドへの移籍が報じられている香川と続く。G大阪の不調の影響が心配された遠藤だが、データで見る限りやはり攻撃の核となる選手であることは間違いないだろう。
続いてクロスCBP。先制点のアシストをするなど随所にチャンスを演出した長友がやはりクロスCBPでトップとなっている。右サイドバックの内田はこの試合4本のクロスを上げているものの全て敵にカットされているためCBPは加算されず0となっている。逆に、途中交代した酒井は短い時間ながらも5本のクロスを上げ1本成功させている。もちろん、クロスだけでサイドバックを評価することはできないが、今後この2人のレギュラー争いは非常に楽しみではある。
<表2> 出場選手CBP
さて、前置きが長くなったがここからが本題である。
この試合で守備において高く貢献した選手は誰だろうか?
もう一度「表2」のボールゲインCBPを見てもらいたい。
Jリーグのデータを見るにボールゲインCBPは圧倒的にセンターバックが高くなる傾向があるが、オマーン戦では、今野・吉田だけでなく長谷部のボールゲインCBPが非常に高くなっていることに注目したい。遠藤の3.99と比較しても長谷部の11.46は非常に高く、彼の守備面での貢献度の圧倒的な高さを示している。
実際、セカンドボールへの対応は非常に速く、加えて、速いヨセで敵のカウンターをいち早く潰しているプレーも多く見られた。日本の高いポゼッションを可能にしたのも、長谷部がリスクマネジメントしたポジショニングでいち早く敵の攻撃機会を潰していたことが大きい。
守備面にも着目すれば、今回のオマーン戦の影のMOMは長谷部と言っても決して過言ではない。
次節ヨルダン戦では、本田・香川を中心とした攻撃面だけでなく、敵の攻撃を潰す長谷部のプレーに是非着目してみてもらいたい。
Text by 木野本朋哉
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