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データレビュー -川崎Fvs浦和 これまでの傾向との違いは?-
2016-04-24 21:00 RSS

明治安田生命J1リーグ1stステージの優勝争いを占うこの一戦で、勝利を収めたのは浦和だった。攻める方法は違うが互いにポゼッションをスタイルとしている両者の激突において、ボールの運び方にどのような違いが生まれたのか、データを用いて振り返ってみよう。

両チームの前半開始時のフォーメーションは下図の通り。

7節までのボール支配率は浦和がリーグ1位、川崎Fがリーグ2位となっており、まずどちらがボールを支配するのか注目を集めていた。結果、この試合では前半と後半で大きく異なり、前半は約6割近く浦和が支配し、後半は逆に川崎Fが支配する展開となった。しかし、シュートへ至る機会をより多く演出したのは浦和。川崎Fは後半開始時にシステムを右図のように変更し序盤攻勢をかけたがゴールには至らず、浦和の守備を崩し切ることができなかった。

川崎Fのポゼッションにおいて欠かせない中村と大島のプレーエリアを過去の試合と比較すると、特に前半において自陣での割合の高さが目立つ。守備への切り替えが早い浦和に対して前へ運ぶことができず、後方でのパス回しが増えていった。

ミドルサード以下の位置からアタッキングサードへのパス成功をそれぞれ分解すると、両者ともこれまでの試合とは違う傾向が表れた。中央へのトライが多い川崎Fだが、この試合のアタッキングサード中央へパスを通した数は少なく、比率は約6%減少。成功率で見るとこれまでの試合は65.1%だったが、この試合では40.9%まで落ちている。

一方浦和は、これまでの試合に比べ中央への比率が約10%増加。浦和のこれまでのシュートへの道筋を見るとサイドでのプレーも目立つのだが、この試合では中央寄りとなった。従来の浦和はサイドを大きく変えるロングレンジのパスをよく使用しており、これまでは1試合平均20本余り放っていたが、この試合では約半分となり成功率も大きく下がっている。この点は川崎F側もケアできていたのだが、中央にボールを入れられた際の奪い方に甘さがあり、結果、浦和のボール運びが勝った。

この試合結果を経て首位となった浦和。今季加入した遠藤のポジションも3バック中央に固定されこの試合でも多くの縦パスを放った。これで浦和のパス回しにまた新たな選択肢が加わり、より多彩な攻撃を見せるだろう。1stステージの残り試合にて彼らを攻略するチームが現れるか注目だ。


※上記のデータは速報値から算出しております。
※Football LABの他のページのデータ更新は火曜夜を予定しております。その際、本コラムとデータ差異が生じる可能性があります

川崎Fの結果・日程
http://www.football-lab.jp/ka-f/match/

浦和の結果・日程
http://www.football-lab.jp/uraw/match/


2016-04-24 21:00 RSS
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