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アギーレジャパンが見せた変化とは?
2015.1.22

ロスト後の奪い返し

アジアカップのグループステージが終了し、いよいよノックアウトステージへ入る。他の代表と比べ楽なグループと言われた日本が所属するグループDだが、やはりタフな試合が続いた。その中から「変化」をテーマに5つのデータを紹介しよう。

■ボールを失った後の切り替え

右表は敵陣でボールを失った後に早くボールを奪い返せたかどうかを表した数値だ。各試合の前半と後半で、それぞれ5秒未満、10秒未満に取り返した数とその割合をまとめた。イラク戦、ヨルダン戦では5秒未満の数値が後半に入って落ち込んでいるが、その内容は異なっていた。イラク戦では後半も前半同様にボールを奪いに行っていたため、5秒未満の割合は減ったが、10秒未満の割合は大きく増加。一方のヨルダン戦では、引き分けでも勝ち抜けられるという状況や、過密日程による体力面への影響もあり、守備への入り方を変えた。その戦術的な変更がこの数値に表れたといっていいだろう。グループステージでは3試合すべて先制し無失点で終えただけに、ノックアウトステージでもし先制された場合、どういった対応に出るのか注目だ。(もちろん、このまま無失点で大会を終えれば何の問題もない)

クロスに関連するデータ

■クロスの質

イラク戦後に監督自らがクロスの改善についてコメントしていたが、クロスのデータはこの3戦それぞれで異なる傾向が表れた。セットプレーを除いた流れの中でのクロスを対象に、まずシンプルに総数と成功率を紹介すると、パレスチナ戦はクロス数32本に対して成功率は12.5%、イラク戦は同17本に対して35.3%、ヨルダン戦は同15本に対して6.7%という数値が出ている。パレスチナ戦と比較してイラク戦の成功率が大幅に上昇したのは一目瞭然だ。ヨルダン戦はゴールにつながった1本のみの成功に終わっており、成功率としてはパレスチナ戦の約半分となってしまったが、クロス「失敗」の内訳を見ると、初戦で多かったニアでブロックされた数が大幅に減っており、クロス失敗の質が初戦とは異なることが分かる。アジアカップでの全7得点中、クロスから3プレー以内にゴールが生まれたものは3点あり、シュート数から見ても約3割がクロスから生まれたものとなっている。クロスはアギーレジャパンの攻撃において重要なポイントとなるかもしれない。

■イラク戦の今野投入後の変化

イラク戦では後半にイラクの反撃に遭うも、守備を立て直してシャットアウトで逃げ切りに成功した。図は後半15分ごとにイラクの攻撃のつながりを示した軌跡。後半開始から15分までは数回ペナルティエリア進入を許しているが、今野投入タイミング(後半18分)にあたる後半15分以降はほとんど進入を許していない。今野がアンカーを担う長谷部のフォローをしたことで試合中ながら守備面の再構築に成功し、相手の攻撃を封じた。今野を途中出場させることで守備の改善を図ったケースは秋のオーストラリア戦でも行っており、この際も相手の中央エリアでのプレーを大きく減少させている。親善試合でのテストが本番でも生きた。

後半のイラクのプレー軌跡

■ヨルダン戦の香川の変化

アギーレジャパンに変わってからインサイドハーフでプレーしている香川だが、ヨルダン戦では前半に比べ後半は前目でのプレーが増加。途中出場で入った清武が、乾よりも若干後ろ目でプレーしたことと、右サイドの本田が中央でもプレーをし始めたことで香川がより高い位置で攻撃に関与できるようになった。

香川のエリアデータ

■ヨルダン戦の清武の守備

クラブチームで好調の清武は今回のアジアカップでも3試合すべてに途中出場。しかしながら、ヨルダン戦では彼の守備面の課題が反映されたデータが出てしまった。ヨルダンは前半のクロスはスローインからの1本のみであったが、後半は右サイドを中心に増加。日本から見ると左サイドから打たれたもので、そのうちの多くは清武のチェックが遅れたものであった。結果的にクロスは失敗に終わり難を逃れたが、ノックアウトステージに入り、相手のプレークオリティが一段階アップすることを考えると、致命傷になり得る。

ヨルダンのクロス

より厳しい相手が待ち受けるノックアウトステージでアギーレジャパンはどのような進化を遂げるのか。1分も目が離せない試合が続くだろう。



日本代表データページ
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日本代表ランキングページ
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