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2014年J2 年間ベストイレブン
2014-12-24 20:00 RSS

2014年のJ2は、湘南が強烈なインパクトを残したシーズンでした。開幕14連勝というJリーグにおける開幕からの連勝記録を更新し、J2史上最速での昇格を決めることに。続いて昇格を決めたのが松本。そして、昇格プレーオフ争いは出場資格を持たない北九州を除いた千葉、磐田、山形、大分の4チームが最終節まで競い合い、最終的には山形が4年ぶりのJ1昇格を勝ち取りました。一方、残留争いでは富山がJ3リーグへ自動降格。21位の讃岐は、長野との入れ替え戦を制し、J2残留を決めました。


フットボールラボでは、J1、J3リーグに続き、チャンスビルディングポイント(CBP)を中心としたデータから独自のJ2ベストイレブンを選出しました。
フォーメーションは自動昇格の湘南と松本が採用し、シーズンの後半には山形も導入していた3-4-2-1。
なお、対象の選手はJ1と同様に出場時間が所属チームの試合時間の3分の2以上としています。

<GK>

★スタメン:秋元 陽太(湘南)

■控え:神山 竜一(福岡)

GKは「セーブ率」「セーブCBP」「フィードキック成功率」を基準としました。

湘南の秋元選手は、全試合にフル出場してリーグ最少失点に貢献。チームの快進撃を最後方から支えました。セーブ率での1位に加え、対象選手の中ではフィードキック成功率でも1位に輝いています。
控えは福岡の神山選手。セーブCBPで1位となり、セーブ率でも3位にランクインしました。さらに、フィードの成功率はトップの数値を記録しています。

<センターバック>

★スタメン:遠藤 航(湘南)
★スタメン:飯田 真輝(松本)
★スタメン:三竿 雄斗(湘南)

■控え:奈良 竜樹(札幌)

センターバックは「守備CBP」「失点数の少なさ」に加え、「攻撃への貢献度」を示す攻撃関連のCBPを基準としました。

優勝した湘南からは、2名を選出。
7ゴールを記録した遠藤選手は、何といっても攻撃CBP6位という順位が際立ちます。センターバックも前の選手を追い越して攻撃に絡んでいくという「湘南スタイル」を象徴する選手で、ほかにもパスCBPでは8位、クロスCBPでは14位にランクインしました。
遠藤選手と同じく、センターバックながら攻撃関連のCBPで高い数値を弾き出したのが三竿選手。今季記録したアシストは10で、リーグ2位タイでした。クロスCBPでは3位、攻撃CBPでも10位にランクインするなど、従来のセンターバックに求められていた役割とは違った、新たな「センターバック像」が湘南で作られていることは数字を見ても明らかです。

3人目は、全試合フル出場を果たした飯田選手。松本の堅守を支えるだけでなく、セットプレーでは持ち前の空中戦の強さを発揮し、6ゴールを挙げました。敵陣での空中戦勝率は並み居るFWを抑えてトップに立ち、自陣での空中戦勝率はリーグ3位でした。(※関連リンク「2014年J1・J2・J3リーグ 空中戦勝率ランキング」を参照)
控えは札幌の奈良選手を選出しました。リオデジャネイロオリンピックを目指すU-21日本代表のセンターバックは、堂々の守備CBP1位。さらなる成長に期待がかかります。

<ウイングバック>
★RWBスタメン:田中 隼磨(松本)
★LWBスタメン:中村 太亮(千葉)

ウイングバックは「クロスCBP」「攻撃CBP」「アシスト」を基準としました。

右ウイングバックは、松本の田中選手。5アシストを記録し、クロスCBPが全選手中ナンバーワン。チームを悲願のJ1昇格へ導き、個人としては「J2 Most Exciting Player」にも輝くなど、充実したシーズンを送りました。
左ウイングバックは、千葉の中村選手。チームで唯一の全試合フル出場を果たした彼の持ち味は、やはり左足から放たれる精度の高いキックです。4ゴール10アシストという結果に加え、攻撃CBPでは2位にランクイン。クロスCBPでも全選手の中で5位に入り、データからも攻撃への貢献度が際立つ結果となりました。

<ボランチ>
★スタメン:永木 亮太(湘南)
★スタメン:宮阪 政樹(山形)

■控え:上田 康太(岡山)
■控え:風間 宏希(北九州)

ボランチは「攻撃CBP」「ゴール」「アシスト」「パスCBP」を基準としました。

湘南の永木選手は、6ゴール11アシストを記録し、アシスト数はリーグトップ。さらに、攻撃CBPもリーグトップ、パスCBPでは2位にランクインし、名実ともに「湘南の大黒柱」として活躍しました。特筆すべきは、11試合の欠場があった上でこの結果を残しているということです。

2人目は、山形の宮阪選手。8ゴール3アシストを記録し、彼の代名詞ともいえる直接FKからの得点は5得点でした。パスCBPでも4位にランクインし、「山形のレジスタ」はデータ上でも存在感を発揮しています。

控えには、岡山の上田選手と北九州の風間選手を選出しました。
上田選手はリーグ5位の9アシストに加え、パスCBP3位、攻撃CBP5位と軒並み上位にランクイン。J2史上4番目の記録となる18試合連続(9節から26節まで)での負けなし記録を達成したチームの司令塔としてその実力を発揮しました。
風間選手はパスCBPで10位に入りましたが、注目すべきはシュートCBP。全選手中トップの数値を記録しており、その部分を高く評価しました。

<オフェンシブハーフ>
★スタメン:船山 貴之(松本)
★スタメン:岩上 祐三(松本)

■控え:堀米 勇輝(愛媛)

オフェンシブハーフは「攻撃CBP」「ゴール」「アシスト」「シュートCBP」「ドリブルCBP」を基準としました。

1人目は、松本の船山選手。我々が選ぶ月間ベストイレブンの常連にもなっていた船山選手は、得点ランキング3位となる19ゴールを奪い、チームの昇格に大きく貢献しました。そのほかにも、シュートCBP2位、ドリブルCBP6位、攻撃CBP9位と攻撃関連の項目ではいうまでもなく上位へと名を連ねています。
2人目は、同じく松本の岩上選手。リーグ2位タイの10アシストを記録し、クロスCBPでは7位にランクイン。ゴールゲッターとしての役割を担った船山選手の活躍もさることながら、チャンスメイカーとしての役割を担った岩上選手の存在も光りました。また、ロングスローの回数は122回とリーグトップで、プレースキックのみならずスローインからもチャンスメイクができる貴重な存在といえます。

控えは愛媛の堀米選手を選出。8ゴール7アシストという結果も立派ですが、ドリブルCBPではリーグトップの数値をたたき出しています。チームは19位と不本意な結果に終わりましたが、堀米選手と河原選手が躍動する2シャドーは、相手チームにとって厄介な存在となりました。

<FW>
★スタメン:ウェリントン(湘南)

■控え:大黒 将志(京都)
■控え:前田 遼一(磐田)

FWは「ゴール」「シュートCBP」「シュート成功率」「攻撃CBP」を基準としました。なおゴールのみ、全選手を対象に抽出しています。

湘南のウェリントン選手は、得点ランキング2位の20ゴールを挙げ、チームにとって必要不可欠な存在となりました。攻撃CBPは得点ランキング上位10名の中で2位。豪快なゴールシーンも印象に残りましたが、体の強さを生かしたキープ力と前線からの献身的な守備はさらに印象深く、ハードワークができる点取り屋は、快進撃の立役者でした。

控えには、京都の大黒選手と磐田の前田選手を選出。
大黒選手は、リーグ戦では自己最多となる26ゴールを挙げ、リーグ得点王を獲得。最前線における相手DFとの駆け引きのうまさはいまだに一級品です。
前田選手は、得点ランキング4位タイの17ゴールを奪い、そのシュート成功率は得点ランキング上位10名の中でトップの数値でした。

以上が各選手の選考理由となります。いかがでしたでしょうか。

選手個人のデータを基準においての選出のため、順位が反映されない部分がありますが、ご了承ください。

昨季のJ2王者であるG大阪が、J1で優勝を果たし、さらには三冠を達成。今季のJ2で圧倒的な強さを見せた湘南は、同じようにJ1に旋風を巻き起こせるのか。湘南、松本、山形の3チームの中からJ1に驚きを与えるチームが現れることを期待しています。

下記に2013年の年間ベストイレブンコラムのリンクを置いておきました。
昨季との比較もお楽しみください。

■関連リンク

2013J2年間ベストイレブン
http://www.football-lab.jp/column/entry/472/

2014年J1・J2・J3リーグ 空中戦勝率ランキング
http://www.football-lab.jp/column/entry/591/

2014年J1 年間ベストイレブン
http://www.football-lab.jp/column/entry/588/

2014年J3リーグ 年間ベストイレブン
http://www.football-lab.jp/column/entry/587/

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